【シェアな生活】「政治家はアンチの人達がいるところへ敢えて突っ込んで話をきいて来て欲しい」 畠山理仁さんインタビュー

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『公の記者会見オープン化』という難題に立ち向かうフリーライター畠山理仁さんに”公の情報共有”についてきいてます。今回は第6回目です。前回はこちらです。
※連載シリーズ『シェアな生活〜共有・共感・共生がもたらす新しいライフスタイル』関連記事です。

登場人物:
畠山=畠山理仁(はたけやまみちよし)。記者会見オープン化を求める活動で注目されるフリーライター。
深水=深水英一郎(ふかみえいいちろう)、ガジェット通信。

●政治家はアンチの人達がいるところへ敢えて突っ込んで話をきいて来て欲しい

畠山:実際の会見でも質問の取りまとめってけっこう大変だと思うんですよね。今の記者クラブの会見でも、幹事社が何本かまとめて質問してっていうことをやってます。それは時間節約のためなんですけど。

――深水:実際、限られた時間の中で何本も質問できないですよね。

畠山:どっからどんな質問が飛んでくるかわかんないっていうところに政治家が一人で立てるかという覚悟を見せるっていう意味では、政治家の度量を見せるいい指標になっていると思いますよ。

――深水:それは、やっていかなければいけないことですか。

畠山:公人だから人の前に立てない人はダメじゃないですか。自分の都合のいいことだけ、仲いい人にだけぽそっと言うような情報発信の仕方をしているような政治家っていうのは、全然大衆のために生きている政治家じゃないので、そういう人はとっとと落としたほうがいいと思いますよ。それは、選挙運動なんかを見ていてもよくわかるんですけど、選挙で街頭演説をして前の方としか握手しない政治家って多いんですよ。そうじゃなくて、前だけじゃなくてどわーっと中に入っていく人っていうのはオープンな人が多いんですよね。

――深水:手前の人としか握手しない政治家ってなんでそうなっちゃうんでしょう。

畠山:街頭演説だけでいいと思っているんじゃないですか? それでも伝わることは伝わるんですけど。どんなところからパンチが飛んできても返すよって気持ちがなければ、中に入れないわけです。政治家って本当は常にそう思ってなくちゃいけないと思うんですね、公人だから。そこまでの覚悟があまりないんじゃないかと思いますね。ちょっと大臣になって警護対象になったりすると、SPの人も「行っちゃいけません」って仕事だから言いますよね。「そうじゃないんだ」って入っていく人っているんですよ。鳩山由紀夫さんや亀井静香さんもそうだったし、SPとかついてても、SPの人も「そういう人だから」と慣れているんですよね。本人も何とかするだろう、みたいなところも。それはやっぱり、文句言われてもちゃんと答えてたりするので、それぐらいじゃないと本当はダメだと思いますけどね。都合のいいことだけ聴いて政治やっていたら、その人のためだけの政治になっちゃうわけじゃないですか。

――深水:記者クラブ自体の問題もあるし、政治家側の問題もあるということ?

畠山:あると思いますよ。国土交通大臣のときも、前原さんが記者会見をオープンにしようって言わなかったのなんかガッカリですよね。

――深水:なんで言わないんですか?

畠山:記者クラブと仲良くしたかったんじゃないですか? 国土交通記者会は人数多いですしね。そこをオープンにするって言うと、記者クラブは反対するわけですね。そんなごたごたを起こしたくないっていう思いが大臣にあったんじゃないですかね。馬渕さんとかは、オープンにしようと進言をしていたわけですけども、前原さんは言わなかったし。

――深水:それもキャラクターってことですよね。

畠山:今は前原さんも外務大臣になってオープンでやっていますが、それって前の岡田さんがオープンにするシステムを作っちゃったから。それを後戻りさせることはさすがに難しい(笑)。ただ、前原さんになってから、会見の時間が短くなって「30分くらいで切ってくれ」っていうことを言ってるみたいなんですね。

――深水:嫌いなんですよ、きっと。

畠山:たぶん、そうですね。仲良しの人と仲良くやりたいというか……

――深水:前に出ていくタイプではないということ?

畠山:周り……そうですね……選挙運動のときは多少行きますけど、でもまあ沿道に柵があったらそこまでですよね。その柵を乗り越えて奥まで行ってっていう人ではないですよね。

――深水:そういうのはパフォーマンスだと思っている節は?

畠山:パフォーマンスだと思っちゃっているところもありますけどね。でもまあ、そこの前の人とだけパフォーマンスをやるんだったら、どうせなら中入ってて文句言われたほうがいいじゃないですか。「あ、こんな風に思われているんだ」「俺のここがみんな嫌いなんだ」ってわかるだけで、変わる可能性があるわけじゃないですか、いい方向に。

――深水:アンチの人がいるかもしれないところに敢えて突っ込むのって。

畠山:アンチの人ってすごく勉強になると思うんですよね。裏返せば、実は熱烈なファンじゃないですか。興味を持って、何するかっていうのをずーっと見てて、ここツッコミどころだっていうところで突っ込んできてくれて。無関心に通り過ぎて行く人たちよりも、すっとありがたい存在だと思うんですけど。そういうのを嫌がる人は政治家には向かないんじゃないですかね。知名度だけで当選するっていう人はそれでいいのかもしれないですけど、人の心に訴えかける政策を出すのはなかなか難しいんじゃないですか。

――深水:オープン化に耐えうる政治家を輩出してほしい、とか。

畠山:どんだけ厳しいことを言われても堂々と答えられるような。自分の信条を持っていなかったら答えられなかったりするじゃないですか。柳田さんじゃないですけど「この案件については答えられません」とか。決まり文句で逃げ切るほかないっていう人よりは、自分の言葉で「あなたはそう言うけど、俺はこう思っている。みんな反対するけど、国のためにこうやるんだ」って説明できる人であって欲しい。それに対して賛成か反対かは別ですけど、そういう説明の仕方をしてもらったほうが次の選挙のときの判断材料になるじゃないですか。この人には絶対投票しないとか、この人には投票しようかなとか。オープン化がいいなあと思うのは、そういう判断材料が増えるということですね。

――深水:今後、公開に積極的な政治家が増えて行くと思うんです。増えていったとするとつまるところ記者クラブ自体が邪魔になる。彼らは直接国民にメッセージを伝えたくて手探りを始めているわけじゃないですか。ネット中継を使うとか『Twitter』を使うとか、ブログとか、直接つながる場ができているのに、記者クラブが邪魔をしてオフィシャルには国民とのやりとりが自由にできない。質問を受けられない。その存在自体が悪になりつつあると思うんです。それを排除する方法ってないんですか? 僕はそれ自体がオープン化の肝だと思うんですけど。

畠山:新聞買わないことじゃないですか? テレビも観ない。で、直接政治家のところに話を聴きに行ったり、意見を言いに行ったりすればいいんじゃないですかね。でもまあ、新聞やテレビも完全には無くなりはしないと思うんですよね。

(つづく)


(編集サポート:kyoko)

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