シャープ「GALAPAGOS」とソニー「Reader」はどっちが買い?【ITフラッシュバック】
一方ソニーも、電子書籍リーダー「Reader」を12月10日に発売する。1990年に電子ブックプレイヤー「DD-1」を、最近でも「LIBRIe」という端末を提供していたソニーが再参入することとなった。
 GALAPAGOSの10.8型ホームモデル |
■シャープ「GALAPAGOS」
シャープの電子書籍の歴史は、フォーマット「XMDF」普及の歴史と重なる。携帯電話を中心に広がってきたXMDFは、縦書きや音声、動画などの機能を持ち、日本語を表示するのに最適だ。国際標準ではあるが日本以外ではほとんど普及していないその一方で、世界的には文章表現するフォーマットとしてはPDFがデファクトスタンダードといえる。
いままで、フォーマットとサービスを提供してきたシャープが満を持して開始したのが、今回のハードウェア「GALAPAGOS」の提供なのだ。これにより、フォーマット、サービス、ハードウェアを一貫して提供できる仕組みを作り上げた。
国内では、知らないうちに使っていて、一般に普及しているXMDFだが、「GALAPAGOS」が売れるかどうかは別の話になる。しかし、もし「GALAPAGOS」が失敗するようなことがあっても、XMDFは国内では生き残りそうなため、新刊を入手できないという事態は避けられそう。
端末は5.5型モバイルモデル（解像度：1024×600、サイズ：92×12.9×167mm／約220g）と10.8型ホームモデル（解像度：1366×800、サイズ：177×14.7×286mm／約765g）の2種類をラインアップしている。ソフトバンクモバイルのGALAPAGOSブランドのスマートフォンもある。ライフスタイルに合うようなら、買っても問題はない端末となるだろう。
■ソニー「Reader」
ソニーの電子書籍は、ハードウェアの歴史といえる。前にも述べたとおり1990年には電子書籍専用ハードウェアを投入、2003年から電子ペーパーに対応した電子書籍専用端末「LIBRIe（解像度：6インチ／800×600、サイズ：約126×13×190mm／約190g）」を提供していた（すでに生産終了）。BBeB規格というソニー独自の規格に準拠していたが、LIBRIeは撤退していた。新端末「Reader」はこのような電子書籍端末のノウハウが活かされている。
端末は6型Touch Edition「PRS-650（解像度：600×800、サイズ：約119.1×10.3×169.6mm／約215g）」と、さらに小さな5型Pocket Edition「PRS-350（解像度：600×800、サイズ：約104.6×9.2×145.4mm／約155g）」の2種類をラインアップしている。
両機種とも16階調グレースケールとカラーではないが、PDFやテキストファイル以外に、XMDFにも対応しているため、日本国内では電子書籍が問題なく手に入る。
差は、「PRS-650」がメモリーカードスロットを搭載し、MP3やAACなどの音楽ファイルに対応していること。両機種ともタッチパネルで操作でき、文字サイズも6段階で調整できる。電子ペーパーを利用しているため、紙のように読みやすいのが特徴だ。
次世代XMDFを思う存分楽しむなら液晶が美しいシャープ「GALAPAGOS」で、手軽に楽しむなら電子ペーパーを採用したソニー「Reader」だろう。
iPadやキンドルなどに加え、国内メーカーの端末も充実してきた電子書籍だが、本格的な電子書籍元年になるかどうかが楽しみだ。
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