『SUICA』や『ICOCA』でちょっとずつチャージする人へ愛などを込めて……

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今回はココロ社さんのブログからご寄稿いただきました。

『SUICA』や『ICOCA』でちょっとずつチャージする人へ愛などを込めて……
こんにちは。お忙しいところ大変申し訳ないのですが、本日は、“『SUICA』や『ICOCA』で3000円ずつチャージする人がいる”という、深刻な社会問題におつきあいいただきたいと考えておりますので、読みたくないかもしれないですが、ガマンして読んでいただければ幸甚です。

人とお出かけをすると、結構な確率で「あ、チャージしてくるからちょっと待ってて……」という人と出会います。会うたびにチャージするような人もいて、最初は「チョビッとずつチャージするところが可愛いなー、きっとパンを食べるときも小さくちぎって食べたりするんだろうなーチューしたいなー」などと思うものですが、あんまりにも毎回だと、「この人はチャージが趣味なのか? ぼくと話すよりチャージすることの方が楽しいのか?」という疑念が頭をもたげはじめ、チャージ以下である自分の話術にがっくりと肩を落とし、さらに「や、面白いとか面白くないとか、そういうのは客観的なモノサシがあるわけじゃなくて、純粋に好みの問題で、この人にとってぼくは面白くないというだけの話だと思う。そして、どこかにぼくの話がとっても面白いと思ってくれる人がいるはずだ……」などと遠い目をしてしまいますが、そんな都合のいい人いるんだろうか……いてもママンとかじゃねーの?

それはともかく、諸悪の根源は少額のチャージにあるのです。

—こんな語り口だと、なんでわたしが少額のチャージを問題にしているか、さっぱりわからないまま、「相変わらずこのブログの管理人は頭わいてるわ」という、いつもの結論になりかねないし、その結論はあながち間違いでもないのですが、筋道立てて説明させていただきます。

チャージ回数過剰の人に「3000円ずつ入れるのって面倒じゃない? 交通費をたくさん入れていても無駄遣いにはならないでしょ? 駅の売店で使えたりはするけど、あそこで無駄遣いしようとは思わないだろうし、1万円入れたからといって、気が大きくなって思わず3駅乗り越しちゃったとか、そういうことはないんだから、1万円ずつ入れたらチャージする回数が減っていいよ」とすすめると、だいたいクネクネしながら「でもぉ〜たくさんチャージしてなくしたら大変じゃない?」と返されます。まるで「わたしだけ本気になってしまって、向こうにそっけなくされたら傷つくじゃない? だからわたし本気で人のことを好きになったりしないの」と言っているかのようで、お前どれだけカード好きやねんと言いたくなりますが、でも嫌いであるよりは好きな方がいいとも思いますし、ここまで読み進めてきた、はぐれチャージ少額派のみなさまも、やはり同じく、なくす危険性問題について敏感であるとお考えのことかと思います。

・少額チャージ派の方が、むしろなくしやすいという逆説
しかし、なくす……NAKUSU……ことについて、よく考えてみると、むしろ少額チャージ子の方がカードNAKUSU子であることがわかります。なぜなら、チャージするときにカードを取り出しますよね。3000円チャージして首尾よく戻ってきたカード、銀色で四角くて薄くてクールなペット、これは愛おしくてたまらないわけですから、すぐにお財布にしまわないで、「たまには……じかに改札を通してみようかしら!」という大胆な気持ちになってしまいがちです。たしかに財布をピッとかざすのが普通ですが、それだとどうも斜に構えている感じで、「お前、心の底から電車に乗りたいと思っているのか?」と聞きたくなってしまいますよね。

そこで、「今日のわたしは違う、本気で電車に乗りたいんだ」という本気を改札機および駅員に見せつけてやりたい、「JR(および提携している私鉄)のみなさん、あなたたちは電車を運転するプロかもしれないが、こちらは電車乗りのプロなんだ、たとえ駆け込み乗車をしたとしても、ドア付近で立ち止まったりせず、さらにハードな駆け込み乗車マニアが駆け込みやすくするため、すみやかに奥に移動してみたりね」……というわけで、むき出しのカードをべったりとICを読むところをじかにつけてみたくなったりするはずで、そのときはものすごい高揚感なのですが、そのままむき出しのカードがカバンの奥の方にいってしまって、いつしか行方不明になってしまうのです。

まわりくどすぎて、むしろ問題点がぼやけてしまっていることについて、並々ならぬ危機感を覚えているので、ここで主旨をまとめさせてください。

「少額チャージの方が、カードを出し入れする回数が増えるので、それだけなくす危険性が高くなる!」

最初からそれだけ言えよと思うかもしれないですが、なくすときのことを考えるあまり、むしろなくしやすい状況に自分を追い詰めているさまは、道路に飛び出してパニックのあまり、車に当たりにいって絶命してしまう猫のごとし、であり、むしろなくしたくないのであれば、1万円チャージしてチャージ回数を減らし、なくす危険性を減らすべきなのです。

—これだけではピンと来ないと思うので、いったん人間の話から離れ、冷静な気持ちで説明したいと思います。

たとえばカブトムシは、プニプニの幼虫からサナギになり、超硬い成虫になるわけですが、成虫になったばかりのときはまだ色が白くて柔らかいので、このときは鳥や猫などに捕まってカミカミされる危険性が大。カブトムシにしてみれば「大人になるのってマジで大変だし、フニャフニャになるタイミングは1回でたくさん」と思っているはずです。もうおわかりかと思いますが、このサナギから成虫になるタイミングが、ちょうどチャージしてカードがむき出しになっている瞬間と同じで、あんなペラペラした状態だと、風が吹いたらどこかへ飛んでいってしまいそうですよね。成虫になったカブトムシに「もう一回サナギになってさらに大きくて硬い成虫へとステップアップしてみない?」と聞いてみたら、絶対「お言葉ですが結構です」と返事されます。「お言葉ですが」などという高級な日本語、どこで覚えたんでしょうね……彼らは、鳥や猫などにカミカミされる危険は冒したくないと思うからで、それと同じく、カードをむき出しにしてなくす危険は冒すべきでない、ということなのです。

・「手持ちのお金がない」という苦しい言い訳
また、「手持ちのお金があんまりないから……」とまだ食い下がる人がいらっしゃるかもしれませんが、そもそも、お金が本当にないのならしょうがないですが、手持ちのお金が少ないのは、やっぱり銀行からおろすお金が小刻みなのではないでしょうか?????

勘の鋭い方ならピンときたかと思います、つまり、少額チャージ犯は同時に小刻みおろし犯だったというわけで、小刻みおろしの末に、少額チャージという陰惨な犯罪に手を染めてしまったという、負のスパイラルです。

最初はちょっとしたゲーム感覚で、ATMのところからお金を取るのがなんとなく楽しくて、そして、昼間におろすときは手数料がゼロなので、なんかそれだけでお得な気がしてしまって、何度も何度も1万円ずつおろしてたんだけど、不思議と1万円ずつおろしていると、残高を見てもあんまり減ってないし、「1万円ずつだったら残高は減らないことになってるのかしら、さすが経済大国、世界第2位から世界第3位に後退しそうとはいえ、まだまだいけてるわ……」などと妄想してしまうかもしれませんが、やはりそんなことはありません。

そして、小刻みおろしは少額チャージと同じ構図で、出し入れの回数を減らした方が楽であり、小刻みに出し入れしても、やはりなくす危険性はむしろアップするのです。しかも、手数料がかかる時間帯におろしているなら、1万円ずつ5万円分おろした場合と、5万円分を1回でおろした場合だと、手数料が5倍違ってきます。そもそも、そんなに財布をなくしたりスリに遭ったりすることなんてないですからね……。

つまり、「5万円おろして1万円チャージする」がはるかに楽で、「1万円おろして3000円チャージする」をすると、チャージの回数も増え、チャージの回数の増加に伴いATMでおろす回数も増え……となって、人生の大半をチャージと預金おろしに使うこととなってしまうのです。死の間際に、いろんな場所でチャージした記憶や、いろんなお札をおろした記憶ばかりが走馬灯のように思い出され、大切な人との大切な思い出を思い出すころになるとすでに冷たく硬く紫色に……という残念な人生の幕引きをしてしまうのかもしれません。

少額チャージ村の村人のみなさまは、ようやく、お住まいの村がユートピアではなかったということにお気づきになり、さぞかし落胆していることかと思います。しかし、この程度の落胆は就職活動やパートナー選びに失敗したときのショックに比べたら微々たるものなので、クヨクヨせず、明日からチャージを華麗に1万円ずつキメていただければと思います。

執筆: この記事はココロ社さんのブログからご寄稿いただきました。

文責: ガジェット通信

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