11月24日、世界を震撼させるニュースが流れた。北朝鮮軍が、韓国領内の民間人が住む島に向かって多数の砲弾を撃ち込んだのである。それをきっかけに、一時世界の株式市場が軟調な展開になるなど、金融市場も大きく揺れた。

 なぜ今、北朝鮮はそうした暴挙に出たのだろうか? もともと北朝鮮の行動は、我々の常識の範疇を越えている。つまり理解不能なのだが、その謎を解くためには、北朝鮮の金日成、金正日、金正恩と続く、“金王朝”独裁体制が見据える「最終的な目的」を理解する必要がある。

“金王朝”が目指すものは、世界の覇権国である米国に、自分たちの地位安泰を保証させることだ。つまり、米国との平和条約を締結することによって、米国が北朝鮮を攻撃しないことを保証させると同時に、核開発放棄と交換に経済援助を取り付けようと考えていると見られる。

 ところが現在、米国はイランやアフガニスタン問題に意識が集中しており、北朝鮮問題は後回しになっている。米国の意識を自国へ向かせるために、 “金王朝”は色々な手段を講じている。それが核開発施設の建設であり、今回の暴挙と考えられる。

 今のところ、わが国には直接の脅威とはなっていないものの、弾道ミサイルや拉致問題などを考えると、必ずしも「対岸の火事」とばかりは言っていられない。領土問題で中国やロシアが「前門の虎」とすれば、北朝鮮は「後門の狼」になることも懸念される。

 北朝鮮は、地政学的に極めて重要な位置にある。世界地図を広げてみると、それがよくわかる。北朝鮮は、覇権国である米国の勢力と、中国・ロシアの勢力が睨み合う最前線に位置している。

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