追求するデニム 林芳享手掛ける「RESOLUTE」

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 2010年5月にデニム・デザイナー林芳享(はやしよしゆき)氏が、住金物産グループのエスビープラニングとともに立ち上げたデニムブランド「RESOLUTE(リゾルト)」が、2011年春夏の展示会を開催した。販売をスタートした9月から1ヶ月半での出荷本数は千数百本と好調。様々なデニムが登場する中、原点を突き詰めた「RESOLUTE」は、着実に進化を遂げている。



 「Denime(ドゥニーム)」の創始者として知られるデニム・デザイナー林芳享氏は、20年以上も理想のデニムを追いかけ、頑ななこだわりで職人たちを牽引してきた人物。デニムを知り尽くした男と言われる林氏が満を持して創り上げたブランドが「RESOLUTE(リゾルト)」だ。

 「RESOLUTE」に使用される国地方備後(bingo)地区のオリジナル生地は、旧式の染色方法、織り機で創られ、他とは全く違う毛羽立ち・ザラつき感が特徴。おろしたては違和感さえ覚えるほどの毛羽立ちだが、穿きこむことで絶妙な色落ちと風合いが生まれる。細めのストレートの「RESOLUTE」基本モデル710をはじめ、やや太めのストレート711、膝から下がテーパードされたストレート712、710の股上を浅く仕立てた713の4型が基本。それぞれに生とワンウォッシュタイプを用意した全8種を展開している。「型数はずっと4型。何年後に買いにきても今と同じデニムを用意できることが理想。」と林氏は語り、むやみに型数を増やさない。

 9月から販売をスタートし、店頭では大手セレクトショップやアメリカ屋など33店舗ほどで販売している。インターナショナルギャラリービームスなど最先端トレンドショップにも卸しているが、取り扱い店舗の中にはデニムを専門に取り扱うデニムショップが目立つ。「昔の日本では、シャツはシャツ屋、デニムはデニム屋で購入するのが当然だった。だから「RESOLUTE」の卸先に純粋なデニム屋は欠かせない」と語る林氏ならではの売り方。実際、販売をスタートして店舗では林氏の「Denime」時代からの根強いファンの購入が多いという。

 10月に行われた、ブランド始動から2シーズン目となる展示会では、デビューコレクションとかわらず4型8種を披露。自然な色落ちやアタリをつくってほしいから、クラッシュや色落ちを加えた、いわゆる加工デニムは作らない。だが、何も手を加えないというわけではなく、710と711の2型の水洗い仕上げを"リジッドリンス仕上げ"に移行するという新しい試みを行っている。

 これまでワンウォッシュを行う際、水洗い仕上げという手法を採っていた。水洗い仕上げでは、大きな釜を使い、複数本のジーンズをまとめてお湯で洗う。釜のなかのジーンズ同士が移染しするため、仕上がりはべたっとした色落ちとなる。一方のリジッドリンス仕上げは、1本1本水洗いすることにより移染が少なく、縮みもしっかり出る。生デニムを購入後、家庭で水洗いし、干すと固くなってしまうが、「RESOLUTE」では特殊な加工で仕上げるため柔らかく仕上がる。

 リジッドリンス仕上げの利点は、生デニムに非常に近い色合いを残せること。生デニムから履きこなしたいデニムユーザーにとっては、より近い色合いでワンウォッシュの「RESOLUTE」デニムが楽しむことができる。

 「デニムは、実際に落ち方を見てもらわなければ、良し悪しが判断できない。今何かを語るより、数ヶ月後、色が落ちたデニムを見て初めて"このデニム、本物やったんやな"って思ってほしい」と微笑む林氏。型数は増やさない、加工はしない、決して安売りもしない。デニム市場が様々なベクトルで動く中、「RESOLUTE」はデニムの原点としての価値を高めていく。