最近、若手の時代小説作家の台頭が著しい。本屋大賞の冲方丁を筆頭に、田牧大和、梶よう子、矢野隆など、ぐんぐんと力をつけてきているように思う。
 そんななかの一人、天野純希。昨年、元寇を描いた作品『青嵐の譜』は、壮大なテーマに取り組んだ大作で、各方面から絶賛された。あれから1年、待望の新作が発売された。
 今回は戦国時代の四国の雄・長宗我部元親に真っ向から取り組んだ意欲作である。『南海の翼』はまさに群雄割拠の真っ只中、土佐から勢力を広げていった元親の野望と蹉跌を、力技で描ききった作品だ。織田信長、明智光秀、豊臣秀吉、徳川家康などおなじみの武将が勢ぞろいするオールスター戦国絵巻は新鮮で、新しい時代小説の波がどんどん大きくなっている気配を感じる。
 歴女の間でも長宗我部元親の人気は高い。いつかは大河ドラマに、という声もよく聞く。秦の始皇帝を先祖に持つ長宗我部一族は、聖徳太子の片腕であった秦河勝の子孫でもある。2000年にも及ぶ名家の戦いを堪能して欲しい。

(東えりか)







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