「アプリ定期購読」に対応する『iOS 4.3』、12月登場か

Tim Carmody


Photo: Apple

iPad』のオーナーたちが『iOS 4』にアップデートしてから1週間もたっていないが、彼らを対象にニュースや雑誌の有料定期購読(サブスクリプション)を提供するソフトウェア・アップデートが、この先1ヵ月以内に登場するかもしれない。

Daring Fireball』のJohn Gruber氏は、米Apple社最高経営責任者(CEO)のSteve Jobs氏は、12月9日(米国時間)に予定されているイベントで米News Corporation社CEOのRupert Murdoch氏と共に登壇し、Murdoch氏が新たにリリースするタブレット専用新聞『The Daily』を発表するだろうと報じている。

Gruber氏の情報源によれば、The Dailyのアプリは『App Store』内で提供されるが、コンテンツ更新ごとに生じる購読料についてはユーザーの『iTunes』アカウントに課金するサブスクリプション方式を利用する。「The Dailyのアプリを構築中のNews Corp社の開発者は、すでにApple社から新しいサブスクリプション課金APIに関する予備的なドキュメンテーションを得ている」という。

さらに、『Macstories』のFederico Viticci氏は、継続課金するサブスクリプション方式は、12月13日リリース予定のiOS最新版、『iOS 4.3』の一部になると報じている。

これまでも、多くのサブスクリプション型のサービスがiOS向けアプリを出しているが、現状ではコンテンツごとに、iTunesから個別のアカウントと請求を立てなければいけないという難点がある。

継続課金を可能にするサブスクリプション方式が導入されれば、iTunes上で雑誌や新聞、テレビ、動画といった有料のメディア・アプリケーションは格段に増える可能性が高い。実のところ、継続的なコンテンツやサービスの配信に頼るアプリケーションならどんなものでも、サブスクリプション方式を開始する可能性がある。具体的には、オンラインゲーム、データ・バックアップ、GPS、オフィス向けアプリケーションなどだ。

OSアップデートが行なわれるもうひとつの理由は、コンテンツをバックグラウンドで自動ダウンロードすることだろう。新聞や雑誌を毎週読む場合、最新号を読むためだけに長く複雑なダウンロード操作を毎回行なうのは面倒だ。

Viticci氏の情報源によれば、Apple社はiOS 4.2.1を公開してからこれほど短期間でiOS 4.3をリリースすることは意図していなかったという。ただし、もともとは11月初めのリリース予定だった4.2.1の公式リリースが遅れたことによって、4.3のリリースも先延ばしになる可能性はある。だが、Apple社がThe Dailyで大きな役割を担う関係上、両社はやはり12月中旬の発表とリリースを守る可能性もある。

{この翻訳は抄訳です}

[日本語版:ガリレオ-高森郁哉/合原弘子]

WIRED NEWS 原文(English)

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