林遣都さん
 生命の源である、「水」。水のあるところに人は集まり、街が、文化が生まれる―。世界中の美しい水辺の風景とともに、「水と人との関わり」を描き続けてきた「世界水紀行スペシャル」に、「水紀行」シリーズ史上初の“旅人”として登場する俳優・林遣都さん。旅の舞台である「氷河と白夜の世界」として知られるアラスカの美しさ、そして厳しさを透明感あふれる瑞々しい感性を通してダイナミックに表現してくれている林さんに、アラスカの魅力や、お仕事を通じて感じた事などを聞いてきました。

――「世界水紀行」シリーズ史上初めての旅人として、お話をいただいた時の感想を教えてください。

林遣都(以降林):もう、率直に嬉しかったですね。海外に行ける事がなかなかないのでまずそこが嬉しかったです。でも、ただの旅行ではなくて、自分でその土地の素晴らしさ、魅力を伝えられるかと思うと少しプレッシャーでもありましたね。

――そうですよね。では、お話をいただいた時に、旅先であるアラスカについての印象はどうでしたか?

:アラスカと聞いて、全然知識がなかったのでなかなかイメージが浮かばなくて…。何となく自然が広がっていて、動物が沢山いるんじゃないか程度のイメージしかできなくて楽しみ半分と不安半分でした。

――林さんの素の部分が見れたような気がしました。やはり、アラスカという土地に行って、自分らしくやれた部分もありましたか?

:日本だと絶対経験できない事ばかりで、自然と素のままになっていたというか。カメラを意識する事も忘れるくらい開放的で、ほとんどが素でした(笑)。

――氷河など色々と行かれていましたが、どこが一番印象に残りましたか?

:やっぱり最後にたどり着いた最北端のバローの360度見渡しても全部真っ白な世界ですね。湖が凍っていたんですけど、その上に立った時、見渡す限り何もない真っ白な景色。その景色が今もずっと記憶に残っています。

――一面が真っ白な景色の中だと、心が無になれそうですね。

:ただただ、景色に見とれるばかりで特に何にも考えてなくて、こんな所に来る事ができるなんて! という感じで「わーっ!」とか結構叫んでいました(笑)。

――氷河のお水を自分で汲んで飲んでいましたが、お味はどうでしたか?

:自分の足で氷河まで汲みに行って、本当に綺麗ですごくクリアな水でおいしかったです。

――キューリックでは、野生のグリズリー(熊)がいる国立公園でグリズリーとの距離の近さに驚きました。

:本当に距離が近くて、グリズリーが鮭を食べていましたよ(笑)。親子だったんですが、鮭を食べる姿がまたすごくて、迫力がありました。グリズリーも穏やかだったので、かなり近くまで行けました。

――林さんが撮影したグリズリーの写真からも迫力が伝わります。恐くありませんでしたか?

:最初はめちゃくちゃ恐かったです。泊まっているロッジの周辺にも現れると聞いて、本当にグリズリーがそこらじゅうにいたので「眠れるのか!」と思いました。でも、現地の人達がグリズリーに対して優しく接しているから、グリズリーもすごく人間の事を信頼していることがわかったので安心できました。