毎年3月に発表になる米『フォーブス』誌の「世界の億万長者ランキング」。資産10億ドル(約1,000億円)以上の世界長者番付約800人と、日本人の億万長者ランキング40人が公表されます。

 このランキングに掲載される人の多くは、一代で財をなした創業社長などの実業家や投資家ですが、日本人ランキングのうち20%強、60歳未満の人では実に75%にある共通点があることはあまり知られていません。

 世界でいえばマイクロソフトのビル・ゲイツ氏、グーグルのセルゲイ・ブリン氏、ラリー・ページ氏、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ氏などがランクインしています。日本人では、ソフトバンク社長兼CEOの孫正義氏、楽天会長兼社長の三木谷浩史氏、グリーの田中良和氏などです。

 ここまで読んで、ある共通点が何かわかった人もいるかもしれません。誰もが知っているこれらの企業は、いずれも「プラットフォーム戦略」に基づくビジネスを展開しているところばかり。つまり、プラットフォーム戦略は"新しい億万長者のビジネスモデル"と言い換えることができそうです。

 このプラットフォーム戦略は、IT企業に限らず、実はすでにたくさんの企業が採用している「古くて新しい」戦略です。例えば商店街、婚活カフェ、クレジットカード、ショッピングモール、病院、雑誌や新聞、おサイフケータイ、iモード、Wii、プレイステーション、SNSやツイッター、築地市場や六本木ヒルズなどでも使われています。

 では、プラットフォーム戦略とは一体何なのか? ビジネス・ブレークスルー大学教授の平野敦士カール氏は、ハーバード・ビジネス・スクール准教授のアンドレイ・ハギウ氏との共著『プラットフォーム戦略』の中で、お見合いクラブを例に次のようにわかりやすく解説しています。

 お見合いクラブのビジネスモデルは非常にシンプル。出会いを求める男女に魅力的な場を提供し、双方からの参加を募ることにより、このビジネスは成り立っています。男性に年1万円程度の会費と、参加ごとに2,000円程度の参加料を請求し、女性は無料といった具合。つまり、お見合いクラブとは、男性・女性という互いに引き合う2つのグループをマッチングさせる「場」を提供して、かつ「場」において双方が直接・間接的にやりとりするのをうながすというビジネスモデル。このように複数のブループをつなぐことで付加価値を創造することが、プラットフォーム戦略の本質といえます。

 つまり、(自分にはとくに魅力的なサービスがなくても)魅力的なメンバーを集めることができれば、その会(プラットフォーム)も魅力的なものになっていくということ。そうすれば参加者はどんどん増え、より質の高いサービスと、活発なお金の流れを生み出すことになります。

 また、プラットフォームの主催者は、あらゆるメンバーの情報を得ることができます。より"自分ごと"としてとらえやすいように合コンにたとえると、合コンの幹事は参加者の好みや情報をすべて得ることができます。その情報やデータをもとに、マッチングさせることをビジネス化してメンバーから会費を集めれば、幹事も儲かり、メンバーからも喜ばれます。参加メンバーも行き当たりばったりの合コンに参加するよりも、自分の好みが分かっている幹事が主催する合コンに参加する方が安心で、好みの異性と出会いやすいからです。

 合コンが男女を結びつける「ツーサイド・プラットフォーム」であるのに対し、先に述べた億万長者の方々は、あらゆる事業者を結びつけて「マルチサイド・プラットフォーム」を構築した合コンの幹事ということになります。

 ここまで読んで、「プラットフォーム戦略」に興味を持った方は、書籍『プラットフォーム戦略』を一読することをおすすめします。プラットフォーム戦略の世界的な権威が、その理論と実践のすべてをわかりやすく、はじめて日本人のために書き下ろしました。合コンの幹事が得意な人もそうでない人も、「場」を創出し、事業を展開したい人にとっては必読の書と言えそうです。もしかしたらあなたも、億万長者になれる可能性を十分に秘めているかもしれないのですから。



『プラットフォーム戦略』
 著者:
 出版社:東洋経済新報社
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