北朝鮮が韓国の延坪島を攻撃、住民「家も山も火の海」

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「家の消火作業もできないまま逃げた」。

韓国の聯合ニュースなどによると、23日午後2時35分ころ、韓国が黄海上の軍事境界線と定める北方限界線(NLL)に近い韓国の延坪(ヨンピョン)島と周辺海域に、北朝鮮から数百発の砲撃があった。

韓国側の死傷者は民間人も含め数十人。午後7時過ぎの報道によると、韓国軍の兵士2人が死亡、6人が重傷、10人が軽傷を負い、民間人3人が負傷した。しかし、民間人の被害状況は現在も調査が続いており、今後は被害者の数がさらに増える可能性もある。

島民らは近くの防空壕(ごう)や学校などに緊急退避している。韓国の各メディアは、砲撃を受けた時の様子などについて島民にインタビューを行った。

YTNのインタビューに答えた村の住民イ・ジョンシクさんは「村全体が真っ黒で前が見えない」「砲弾が落ちる度に大きな衝撃があった」「住民たちは戦争が起きたと大騒ぎだ」と語った。

東亜日報のインタビューに答えた島の住民自治委員長チェ・ユルさんは、「午後2時40分頃から砲弾約50発が村や山などあちこちに落ち、島全体が大きく揺れた」「10軒あまりの家屋が火事になり、山火事も起きた。電気と通信回線が切れた」と説明。さらに「砲撃は10分あまり続き、韓国軍の緊急退避命令で防空壕(ごう)などに避難したがみんなパニック状態」「緊急事態だったので、家の消火作業もできないまま逃げた」「逃げながら振り返ると、村全体が黒い煙に覆われていた」と述べた。

一方、韓国のインターネット上には、ネチズンたちの怒りと不安が入り交じる声が集まった。

「本当に深刻な事態になった」
「話し合おうとするとげんこつで殴ってくる…これ以上のチンピラはいない」
「金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)時代は戦争の心配なんてなかった」
「共存できない国。同じ民族に向かって砲撃するやつがどこにいる」
「南北関係は破綻し、経済協力もできず、遠心分離機を作動…過ぎ去った10年の方がよかった」
「李明博政権は一体なにをしているんだ!住民を殺す気か。無能な政権を引きずり降ろすべきだ」
「今、北朝鮮の情勢が一番危険な時期だ」
「完全なる宣戦布告。李政権はどうするつもりか」
「今すぐ攻撃しろ!会議をしているんじゃない。すぐ応戦しろ」
「戦争だ…この機会に金正日の首を取って統一しよう」

北朝鮮からの攻撃を受けた延坪島は、面積7.28キロ平方メートル。住民1780人が暮らしている。周辺には、無人島など大小30個あまりの島が点在する。


参照:延坪島住民「村全体が火の海…前見えない」 - ニューデイリー
参照:緊迫した延坪島…「ドーンという音で島が揺れた…家も山も火の海」 - 東亜日報

(文:林由美)

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