長く続いている就職不況。
 来春卒業の大学生の就職内定率は57.6%(厚生労働省調べ)で、調査が始まった96年以降で最低の水準となった。
 自然、就職活動は過酷を極め、数十社、なかには100社以上の企業の採用試験を受けるケースも目立つ。
 こういった状況の中、多くの学生は就活開始前から就活中にかけて「希望の職種に就けるのか」や、それ以前に「正規社員として就職できるのか」という不安と戦うことになる。
 そうなってくると心配なのは、そういった不安やストレスによって心身の健康を損なうこと。その代表例が“就活うつ”である。

■2年間で60社落ちた。
 今年大学を卒業し、社会人一年目の新人として過ごしているYさん(24歳・男性)も、就職活動に苦労した一人だ。
 家庭の事情により4年次を休学したため、Yさんは2008年と2009年の二年にわたり就職活動をしたが、現在勤務している企業(IT関連企業)の内定を取るまでに合計60社の採用試験に落ち続けたそうだ。
 Yさんの受験傾向は大企業に偏っていたわけではない。また、「競争率が低くなるように」と、どちらかというとニッチな職種、業種を狙って受験していたようだ。それでも内定を取るまでに60社もの企業の試験を受け続けたのである。

 それだけの企業を受験すれば、心身にかかる負荷は相当なものだったはずだ。Yさんは“就活うつ”にはならなかったのだろうか。

■自分の弱点がはっきりわかっていたから“うつ”にはならなかった』
 就職活動で、不採用となったことをいちいち気にしていたら身が持たない、とはいえ自分で望んだ企業から“いらない”と言われることは学生にとって少なからずショックな出来事であるはずだ。
 Yさんも、就職活動中は「辛かった」と語り、就職活動を始めた当初は不採用となったことに対して落ち込んだこともあったようだ。
 しかし、Yさんはいわゆる“就活うつ”にはなっていない。食欲がなくなったり、眠れなくなったり、身体の不調とも無縁だったという。

 Yさんのように60社の採用試験に落ち続けても心身ともに健康でいられる人と、それほど多くの企業を受験しなくても“就活うつ”になってしまう人がいる。

 個人差といってしまえばそれまでだが、この違いを考えるにあたってYさんが興味深いことを言っていた。

 社会人になった今、自分の就職活動を振り返った感想を尋ねると、こんな答えが返ってきた。
 「学生時代に活動的なことを何もしてこなかった、という自分の弱点をはっきりわかっていたので、こうしておけばよかった、というのはないです。エントリーシートに“主席を目指して勉強をしていた”と書いてエントリーシートは通過して、いざ面接で“○○大学(Yさんの母校である中堅私大)で勉強していました”と言っても、何だか中途半端な印象を与えてしまうんです。“なんか他にやってなかったの?”っていう面接官の気持ちは自分でよくわかっていた」

 Yさんの返答からは、客観的に自分を把握し、見つめていたことが伺える。
 精神状態は個々によって大きな違いがあるため一概には言えないが、困難に突き当たった時“どうすればいいかわからない”という状態が人間にとって大きなストレスとなることは間違いない。
 長丁場となる就職活動においてこういった状態に陥らないためにも、改善できるかどうかは別として、自分の弱点や長所、できること、できないことを理解しておくことは、自分を見失い、心身の健康を損なわないための一つの条件なのかもしれない。
(新刊JP編集部)

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(新刊JP編集部/山田洋介)


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