「あり方」から「作り方」へ “電子書籍”関連書籍に変化
 電子書籍元年と言われた2010年がいよいよ残り1ヶ月半で終わろうとしている。

 今年、電子書籍において最も大きなニュースは、やはり「iPad」(アップル)や「Amazon Kindle」(Amazon)といった電子書籍に対応した電子端末の登場だろう。また、12月にはシャープからタブレット型端末「GALAPAGOS」が発売予定となっており、ソニーから発売されている電子書籍専用端末「Sony Reader」の日本進出も発表されている。

 こうした背景の中で、出版社側も電子書籍に対し態度を軟化しつつある。
 出版科学研究所が2010年9月に行った「電子書籍に関するアンケート調査」によれば、有効回答47社のうち、電子書籍を刊行している出版社は66%にのぼり、残りの34%のうちの90%以上が電子書籍の刊行を検討していると回答したという。
 しかしながら、出版科学研究所は調査で、専門系を中心とした多くの出版社が慎重だとしており、出版業界あげてのビジネスモデルの模索はしばらく続きそうだ。[*1]

■「電子書籍のあり方」から「電子書籍の作り方」へ

 その一方で、出版業界にはある変化が見える。
 この表は2010年4月以降に出版された主な電子書籍関係の書籍リストである。

 

 『電子書籍の衝撃』(ディスカヴァー・トゥエンティワン/刊)や『電子書籍元年』(インプレスジャパン/刊)など、2010年前半までは電子書籍が出版市場にどのような影響を与えるのかということが注目されたテーマであった。

 しかし、この表を見てもわかるように2010年8月以降になると、『電子書籍の作り方ハンドブック』(アスキー・メディアワークス/刊)、『電子書籍の作り方、売り方』(MdN/刊)といった、一般の人が電子書籍を作るためのマニュアルが続けて出版されている。

 では、この傾向は出版業界のどのようなことを示そうとしているのか。次回のこの電子書籍の記事で解き明かしていく。
(新刊JP編集部/金井元貴)

[*1]参考文献:出版科学研究所『出版月報』2010年10月号

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