日本のメーカーが韓国のパクリ商品を販売。(左)東遠の韓国のり(右)日本のメーカーがコピーし販売したとされる商品

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「プライドの高い日本の食品会社がパクリたくなってしまう韓国食品とは?」。韓国メディア「マネートゥデイ」は18日、日本の食品メーカーが韓国の人気食品をコピーし、日本で販売したと伝えた。

日本のメーカーにコピーされたのは、韓国の「東遠(ドンウォン)F&B」が販売する味付け韓国のり「ヤンバンキム」。東遠がコピーに気がついたのは2006年3月頃で、同社の貿易チームの課長が日本に出張した時、偶然見つけた。

課長はスーパーで、自社ブランドと同名ののりが陳列されているのを偶然発見。包装の色は違ったが、ドンウォン製と同じ1つの袋にカットされたのりが8枚入り、韓国風味付のりと表示されていた。そしてハングルで書かれた「ヤンバンキム」というブランド名が、そのままコピーされ表紙に使われていた。課長は発見した当時、自分が知らない自社の新製品が発売されたのか?と目を疑ったという。

東遠が調査した結果、コピー商品を作っていたのは、味付けのりなどを製造する、創業50年以上の歴史を持つ日本の大手食品メーカーH社だった。H社は東遠が強く抗議すると「商品にハングルで『ヤンバンキム』と表示しているが、日本人はどんな意味なのか分からない。よって商標権の侵害にはあたらない」と反発。しかし国際訴訟を辞さない構えを示すと「包装材はすべて廃棄した。『ヤンバンキム』という名は使わない」と約束したという。

韓国メディアは、「中国は韓国食品のコピー商品を展開している。しかし、食品先進国の日本にも、韓国食品をコピーしたパクリ商品があるとは信じられるか」と伝え、常にパクられる側であった日本メーカーが、韓国の商品をパクったことに驚きを示している。

一方、東遠は今年の海外輸出総額450億ウォン(約33億円)のうち、62%を占める約280億ウォン(約20億円)が日本向けであることを明らかにしている。「厚くしっかりとした日本ののりとは違い、『ヤンバンキム』は薄くてサクサクとした味」が人気の理由だそうで、日本人を惹き付ける韓国のりは日本のメーカーがコピーしてでも売りたい商品のようだと伝えた。


参照:55年の伝統を持つ日本企業がコピー商品を作る理由とは? - マネートゥデイ

(文:林由美)

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