ノルウェーのノーベル賞委員会は10月8日、2010年のノーベル平和賞を中国人民主活動家である劉暁波氏に授与し、ノーベル平和賞の授賞式が12月10日に行われることを受け、環球網は16日、「わが国政府の厳正なる要求によって、多くの国は授賞式への参加を決めかねている」と報じた。

 中国外交部の崔天凱副部長は5日、「授賞式に出席する国は、相応の結果を招くことを覚悟しなければならない」と述べ、他国に対して圧力をかけた。

 ノーベル賞委員会から招待を受けた国は、11月15日までに出席の可否について返答することになっていたが、インドメディアは、「中国からの圧力によって多くの国が出席について即答を避け、参加を迷っている」と報じた。

 日本の仙谷由人官房長官は17日、「日本はノーベル平和賞の授賞式に参加する」と述べ、外務省が駐ノルウェー大使を出席させることを決定したことを明らかにした。

 劉暁波氏は2008年、共産党の一党独裁廃止を求める「08憲章」を発表したことで、「国家政権転覆扇動罪」で起訴された。中国外交部は「中国での犯罪者にノーベル賞の授与は賞の趣旨にそぐわない」と反発した。(編集担当:畠山栄)



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