auのAndroidスマートフォン『IS01』はOSをアップデートしない? 思い当たるフシあれこれ

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auのAndroidスマートフォン『IS01』について、OSが現行の1.6からバージョンを上げるアップデートはされないという事実が11月16日に明らかになりました。これは、KDDI広報部が『Twitter』アカウント(kddipr)からユーザーへの回答としてツイートしたもの。突然の発表にユーザーからは困惑と反発のツイートが続々と寄せられ、半ば炎上状態。この発表は唐突でしたが、『IS01』発売から今までの流れを見ていくと、KDDIが『IS01』をアップデートしないことについて、思い当たるフシがいくつかありました。

・『Twitter』上で発表
まず、今回の発表内容について整理します。ユーザーへのツイートは下記の2つ。

『Twitter』より引用(http://twitter.com/#!/kddipr/status/4424378800406528)
「返信遅くなりました。IS01のアップデートについては、検討を重ねましたが、ハードウェア設計値、操作性、パフォーマンス等を考慮した結果、実現は不可能という結果になりました。 ご要望に応えられず申し訳ありません。(佐)」

『Twitter』より引用(http://twitter.com/#!/kddipr/status/4422761896218624)
「IS01のOSアップデートなのですが、検討を重ねていましたが、ハードウェア設計値、操作性、パフォーマンス等を考慮した結果、実現は不可能という結論になりました。ご期待に応えられず申し訳ありません・・・(佐)」

これに反応した『Twitter』ユーザーが、KDDI広報部に向けて「非常に残念」というユーザーとしての意見、「ツイッターでこういう重大な情報をさらっと発信してしまう精神を疑います」と発表方法について疑問を持つ意見、さらには『IS03』でも同じことがおこるのではと心配する意見などが寄せられました。KDDIはこれに対して、下記のようにツイートし、改めて本件について説明する意向であることを発表しています。

『Twitter』より引用(http://twitter.com/#!/kddipr/status/4495139334529024)
「IS01のメジャーアップデートについては、本アカウントに常に多くのお問い合わせをいただいておりましたので、状況が分かり次第早くお伝えしようと考えておりました。ただ、情報の出方として、個人宛のリプライという形が最初だった点については、平等性を欠くという意味で反省しております。(伊)」

『Twitter』より引用(http://twitter.com/#!/kddipr/status/4496044771508224)
「本件については、改めてキチンとご説明できるように致しますのでよろしくお願いいたします。(伊)」

改めて、どのような形で発表がされるのか興味深いですが、アップデートされないこと自体は「やはり」と思うユーザーも多かったはず。たとえば次のようなことが思い当たります。

(1)『Android au』じゃなかった
10月4日にKDDIが発表し、11月26日に発売が予定されている『IS03』。『おサイフケータイ』に対応し、従来の携帯電話ユーザーから乗り換えるユーザーが“1台持ち”できる機能を搭載しているのが特徴です。10月4日の発表会でKDDI代表取締役執行役員専務の田中孝司氏は、同社がAndroidに注力していくキャンペーン「“Android au” 第1弾」として『IS03』を紹介しています。

ここで「あれ?」と思った方は多いはず。既に発売されている『IS01』は、まるでなかったものかのように扱われているのです。auの『ISシリーズ』を紹介するウェブサイト(http://au-is.jp/)でも、既に『IS01』は紹介されていません。6月の発売から半年も経っていないのに……。auのAndroidスマートフォンとして、継続的にサポートしていくラインアップからは外れてしまっていることが分かります。

(2)相次ぐ不具合
『IS01』は、9月に2回、不具合の発生が明らかになっています。ひとつは悪意あるアプリケーションがインストールされた際、ユーザーのキーボード操作履歴が第三者によって取得される可能性があるというもの。もうひとつは、電話帳に登録した名前に「,(カンマ)」を使用していた場合に、正しい宛先にメールが送信されず、「,(カンマ)」の前後に同じ文字列がある登録名の宛先へメールを送信する場合がある、というもの。

いずれもソフトウェアの更新により対応が完了していますが、後者の不具合への対応では9月17日から25日の間に、本体を販売停止するという事態にまで発展。「@ezweb.ne.jp」アドレスのEメールが利用可能になるという、auが鳴り物入りでアップデートにより機能を追加した直後の不具合発生で、販売数にも影響が出たものとみられます。

このことが直接、OSをアップデートしない理由につながったとは思えませんが、不具合の発生とその対応の過程で、アップデートに伴う開発やテストを継続していくことが難しいという判断がされた可能性は高いと考えられます。

(3)OSに「手を入れすぎた」
これは、11月15日にシャープが開催したスマートフォン事業説明会で聞いたお話。タッチ&トライコーナーで説明員の方に、「AndroidはOSのバージョンがどんどん上がるので、これだけ端末を出すとアップデートへの対応が難しくなるのでは?」と質問したところ、「ユーザーの方もAndroidはバージョンが上がっていくことを理解していらっしゃるので、メーカーの責任としてバージョンアップに対応していきます」という回答をいただきました。

さらに、「日本向けにOSをカスタマイズして提供しているので、Androidのバージョンアップのスピードに追いついていけないのでは?」と質問したところ、冬から春モデルとして発表しているauの『IS03』と『IS05』、ソフトバンクの『GALAPAGOS SoftBank 003SH』と『GALAPAGOS SoftBank 005SH』、ドコモの『LYNX 3D SH-03C』については、システムの中まで手を加えなくてもバージョンアップに対応できるように設計されており、その心配はないと説明されました。

「では“IS01”や“LYNX SH-10B”は?」と尋ねると、「そちらは横画面で使用するなど、OSに手を入れすぎてしまって……」と困惑の表情。フルキーボードを搭載する、大画面を横向きにして使う、ピンチ操作を独自に実装しているなど、Android 1.6に大幅に手を加えて開発された『IS01』や『LYNX SH-10B』は、アップデートに相当な工数がかかるようです。

『IS01』の反省に立って開発された新しい端末は、バージョンアップできない、ということにはならないようです。『IS03』と『LYNX 3D SH-03C』は、発売時にはAndroid 2.1を搭載し、春に2.2へアップデートする予定であることが発表されています。『IS05』や『GALAPAGOS SoftBank 003SH』『GALAPAGOS SoftBank 005SH』は2.2で発売。これらは今後のアップデートに期待してよいのではないでしょうか。

以上の点から、『IS01』のアップデートにはかなりの工数がかかり、その開発コストが現状の販売台数に見合うものか検討した結果、KDDIがアップデートをしないという判断を下したことが予想できます。ユーザーの多くは「やはり」と思ったでしょうが、購入時にはアップデートへの期待を含み、端末を手にした人も多いはず。さらに多くのユーザーはいわゆる“2年縛り”で、2年間機種変更しない条件で購入していることが予想されるので、ユーザーに対しては誠意ある説明が求められるでしょう。KDDIがどのように本件を正式発表するのか、注目したいと思います。

また、(1)はともかく、(2)(3)はドコモの『LYNX SH-10B』にも当てはまるので、同じ理由でアップデートしないと判断される可能性は高いでしょう。NTTドコモは本件について、まだ沈黙を保っています。

※写真は『IS03』発表会で撮影

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