「検査のうち1%がHIV感染」エイズの無料検査に行ってみた

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「彼氏の元カノの元彼の元彼の…」というCMを見たことはないだろうか。エイズの性的感染を訴えるコマーシャルだ。筆者はアレをみるたびに「ケッ、どうせ相手なんかいねえよバーカ!」と悪態をついてしまう。エイズなんて自分には関係のない病気、そう思っていたのだが…一つ不安があった。筆者は今年のワールドカップ直前に南アフリカに旅行にいったのだ。南アフリカといえば人口比率でエイズ感染率が20%にも及ぶという最悪のエイズ罹患国。何か感染するようなことをしたわけではないが、CMを見ていると不安になってしまう。ここは一つ安心するためにエイズの検査にいってみた。

検査に訪れたのは東京都南新宿検査・相談室だ。新宿南口から2分でいける便利な場所にあり、無料で検査でる。平日は15:30〜19:00、土日は13:00〜16:30と学校や仕事があっても行きやすい時間帯なのも嬉しい。予約は電話とケータイから行うことができる。携帯の場合、サイトにアクセスし、検査日を選んで送信するだけで予約できる。

受付で予約番号を告げると、まず、問診票を書くことになった。年齢と自分を表すナンバーを記入して、アンケートに答える。「エイズ検査は初めてですか?」「検査のきっかけはなんですか?」といった簡単なものだ。

しばらく待っていると検査室に通され、エイズとは何かというガイダンスがあった。ご存じのかたも多いと思うがエイズはHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染して起こる病気で、感染から約10年後に体の抵抗力が非常に弱ってしまうというものだ。10年程度の潜伏期間中は自覚症状はないものの、ウイルスをもっている状態になるので、誰かに感染させてしまう可能性がある。感染はセックスで0.1〜1%、そのほかの性行為で0.1%程度ということだ。たとえ感染していたとしても早期発見できた場合は薬で発症を抑えることができ、日常生活はおくれるのだという。

といった丁寧なガイダンスが終わると、採血室へ。お美しい女性医師が手をとって「脱いでくださいね…」と優しく声をかけてくれた。脱ぐのはもちろん腕だ。腕をゴムで縛ると注射器が取り出され、普通の健康診断と変わらない手順であっというまに採血が終わる。それだけで検査終了。全部で20分程度だった。

検査を終えて驚いたのが、ここまで一切名前も電話番号も聞かれなかったことだ。検査中ははじめに記入したナンバーで識別されるため、匿名性は保たれる。結果を知るにもそのナンバーを見せることになるので、他人が検査結果を知ることもできない。徹底的なプライバシー保護となっている。

筆者が待合室にいるとき、70歳程度のご年配の男性と30代と思われる女性がいた。エイズというと若い男性がかかるというイメージがあるが、それだけに限るわけもない。誰もが不安を抱える病気だということが実感できた。

結果が出るには一週間の時間が必要だ。この時間は想像よりも長く、「感染してたらどうしよう?」と、そわそわした気分で過ごすことになった。実際に検査に行かない理由として「感染がわかるのが怖いから」という理由は非常に多いようだ。病気を治すには、早く感染の事実を知ったほうがよいし、他人にうつさないためには是非とも検査が必要だ。しかし、そんなこと知りたくない……という気持ちが痛いほど分かる一週間だった。どれだけ確率が低いとおもっていても、やはり、怖い。

結果の出る日がやってきて、予約した時間帯に検査室へ向かう。10分ほど待って番号で呼ばれると、先生と自分しかいない静かな診察室にとおされた。そこで医師から「陰性ですね。安心してください」と口頭で告げられた。思わずフーっと肩から緊張が抜ける。「ちなみにこの結果は悪用を避けるため紙のかたちでは渡していません。ご理解ください」とのことだ。

結果を聞いたあとはエイズなどの性病のカウンセリングを受けることができる。そこで検査室の先生にうかがってみた。

――東京都南新宿検査・相談室にいらっしゃるかたで実際にエイズに感染しているかたはどれくらいでしょう。
この検査所は新宿にあるということもあって1%程度で高いほうですね。ちなみに年間1万1千人程度のかたを検査しています。

――エイズに気をつけるにはどうしたらいいでしょう?
コンドームを利用するのが第一です。エイズは特に血液経由の感染が多いので、性病に感染していたり、過剰な刺激などで粘膜が傷ついていると感染率が跳ね上がります。エイズの遠因になる様々な性病を防ぐためにもコンドームの利用を守っていただきたいです。

――ありがとうございました。

エイズの検査は全国各所で無料で受けることができる。身に覚えがあってもなくても、自分自身とパートナーのために1度受けてみるといいだろう。「感染しているのがわかるのが怖い」では、なんの解決にもならず、病を進行させるだけだ。なお、結果待ちのあいだ謎の不安にかられた筆者としては、もし可能なら即日検査の場所をお勧めしたい。

全国のエイズ検査・相談窓口を探すことができるサイト
HIV検査・相談マップ

(伊予柑/[NKH]ニコ生企画放送局)