「話題」をつくりだすことは、現代のビジネスにおいて非常に役に立ちます。世の中で売れているモノ、ヒットしているモノは、必ず人々の「話題」になっています。そして、その「話題」、実は"意図的"に仕掛けることができると、PR会社「株式会社トライポッド」の杉本和隆氏は言います。

 杉本氏によれば、例えば、「鼻セレブ」「実物大ガンダム」「小説『1Q84』」「パリス・ヒルトン」「小浜市」「マクドナルド0円コーヒー」など、巷でヒットしている商品・人・企業も話題にするための仕掛けを駆使してヒットに繋げているとか。魅力的な話題を"意図的"に発信すれば、マスコミの注目を集め、大衆を惹きつけます。そして連鎖的に口コミで広がっていき、ヒットにつながります。つまり、ビジネスをヒットさせる鍵は「話題」が握っているのです。

 話題になる理由はさまざまな共通点があります。実際に2009年のヒット番付(SMBCコンサルティング)の上位に挙げられた「ジーンズ激安競争」「実物大ガンダム」「国宝 阿修羅展」「弁当男子・水筒男子」「THIS IS IT」「WBC優勝」にも、隠れた共通点がありました。

 まず、「ジーンズ激安競争」と「実物大ガンダム」。「ジーンズ激安競争」とは、ユニクロ990円ジーンズ、大手スーパー3社の800円台ジーンズ、ドン・キホーテの690円ジーンズなどのこと。今まで1万円前後だったジーンズが1000円以下で販売されるようになりました。一方、「実物大ガンダム」は、ガンダム30周年を記念してお台場に造られた全高18メートルの模型です。ガンダムファンだけでなく多くの来場者、見学者が殺到しました。この2つには、大衆を驚かす『サプライズ』というキーワードが共通しています。

 「国宝 阿修羅展」は奈良の興福寺創建1300年記念イベントとして開かれました。「アシュラー」「仏像ガール」などと呼ばれる阿修羅像に魅せられた女性たちが訪れたことにより、予想以上の反響がありました。「弁当男子・水筒男子」というのは、職場や学校に手作り弁当や水筒を持参する男性たちにつけられたニックネームです。「アシュラー」「仏像ガール」という今までになかった新しい呼び名、そして、「弁当男子・水筒男子」という古くて新しい呼び方、双方には『ネーミング』がキーワードとして共通しています。

 マイケル・ジャクソンの突然な死と、すでに決定していたライブツアーのリハーサル。劇的なイチローの勝ち越しヒット。この2つには感動と興奮といった『ストーリー』というキーワードが共通しています。

 これまでの宣伝活動は、不特定多数に訴え、モノを買いたくなるようにすることを目的としていました。ですが最近では、モノであれ、イベントであれ、何かを「話題」にすることが第一義の宣伝活動になりつつあるのです。『サプライズ』『ネーミング』『ストーリー』はそういった宣伝の手法のひとつ。これらを駆使し、どんなネタなら人は反応するのかということを考えるのが近頃の広告のトレンドといえるでしょう。



『「日本で2番目に高い山」はなぜ話題にならないのか?』
 著者:杉本和隆
 出版社:マガジンハウス
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