富士経済は、アンチエイジング、ホワイトニング、モイスチャーなど何らかの機能を訴求した化粧品(機能性化粧品)の国内市場を調査した。その結果、2010年の市場見込では、09年〜10年製品投入が相次ぎ「ヘアケア」クレンジング・地肌ケア・地肌ケア機能が前年比38%増となった。記録的猛暑で09年のマイナスから反転した「ボディケア」UV(ホワイトニング)機能が前年比9.2%増となった。なお詳細を報告書「機能性化粧品マーケティング要覧 2010」にまとめた。
この調査では、対象となる機能性化粧品の市場をスキンケア5機能、ベースメイク5機能、ボディケア5機能、ヘアケア6機能の4カテゴリ・21機能に分類して、各市場の現状を分析し今後を予測した。
機能性化粧品市場は、化粧品市場全体からポイントメイク、ヘアスタイリング剤、メンズコスメティックス(メンズシャンプー・リンス以外)などの品目を除いた市場である。
2009年の市場は前年比2.2%減で、化粧品市場全体と同様に前年割れとなった。買い控えや低価格品への需要移行など、景気後退による消費低迷の影響を受けた。特にヘアケアでは、シャンプーやリンス・コンディショナーの詰替品、低価格帯品への需要シフトが顕著である。一方、エイジングケアへの需要は高く、スキンケアやベースメイクのアンチエイジング機能はアイテム拡充も進み好調だった。2010年も市場を取り巻く環境は依然として厳しく、引き続き縮小が見込まれる。しかし、ボディケアのホワイトニング機能が夏季の記録的な猛暑で需要を獲得したことなどから、前年比1.2%減に留まる見通しである。
スキンケアは、モイスチャー、ホワイトニング、アンチエイジング、敏感肌、アクネ対応の各機能を訴求した、洗顔料・クレンジング、化粧水、乳液、美容液、モイスチャー(クリーム)、マッサージ・パックを対象とした。機能性化粧品市場で高い構成比を占めるスキンケア市場は、景気後退の影響を受け2008年以降縮小に転じ、2009年もユーザーの使用アイテムの削減や低価格品への需要シフトにより前年比2.1%減となった。特にホワイトニング機能が2008年、2009年と需要期である夏季の天候に恵まれなかったことも影響した。また、スキンケアの基本であるモイスチャー機能は、低価格品への需要シフトが顕著であった。低価格品では「肌研 極潤」(ロート製薬)が値頃感と高い機能性が消費者に評価され大幅に実績を伸ばした。2010年は、前年比1.0%減が見込まれる。アンチエイジング機能や、ホワイトニングとアンチエイジングの複合機能は引き続き堅調であるが、トイレタリーも含めセルフセレクションのラインナップが拡充していることで低価格品への需要シフトも強まっている。モイスチャー機能では「肌研 極潤」に加え、「専科」(エフティ資生堂)や「フレッシェル ザ・ベーシック」(カネボウ化粧品)など低価格品が相次いで投入されており、1,000円未満の”3けた化粧品”として話題を呼び動向が注目されている。また、近年拡大が続いていた大人向けのアクネ対応機能は、競争の激化によるブランドの淘汰が進み、今後は成長の鈍化が懸念される。
ヘアケアは、モイスチャー&マイルド、ダメージケア、フケ・カユミ防止、クレンジング・地肌ケア、フレグランス、スカルプケアの各機能を訴求した、シャンプー、リンス・コンディショナー、ヘアトリートメントを対象とした。2009年は、地肌ケアへの需要が高まりクレンジング・地肌ケア機能が大幅に実績を伸ばしたほか、フケ・カユミ防止機能やスカルプケア機能が好調だった。しかし、ヘアケア市場のおよそ20%を占めるモイスチャー&マイルド機能が他機能への需要シフトにより低迷したほか、2008年まで好調を維持してきたダメージケア機能でも高価格品ブランドの実績が減少したことで、全体では微減となった。2010年は、クレンジング・地肌ケア機能やスカルプケア機能が引き続き需要を取り込み、他機能の減少分をカバーすることで、ヘアケア市場は0.6%増と僅かながら反転が見込まれる。
ベースメイクは、モイスチャー&カバー、UV(ホワイトニング)、テカリ・毛穴、アンチエイジング(くすみ・小じわ)、敏感肌の各機能を訴求した、メイクアップベース、ファンデーション、フェイスパウダーを対象とした。2009年は、ほとんどの機能が減少もしくは横ばいだったため、市場全体も前年比5.1%減と落ち込んだ。その中でアンチエイジング機能は、消費者の関心が高く需要を取り込んでいることや、各社が重点を置いていることで実績を伸ばした。2010年は、買い替え頻度の低下や低価格品への需要シフト、また、複数の機能を併せ持つBBクリームがヒットしていることが、メイクアップベースやファンデーションの購入頻度に影響を与えており、ベースメイク市場は前年比4.1%減と更なる縮小が見込まれる。
ボディケアは、モイスチャー、UV(ホワイトニング)、スリミング/マッサージ効果、フレグランス、敏感肌の各機能を訴求した、ボディクリーム・ローション、ボディマッサージケアクリーム、サンタン・サンスクリーン、バスプロダクツ、ボディシャンプー、リップクリームを対象とした。2009年は、ロクシタン(ロクシタン ジャポン)を始め近年好調が続くライフスタイル提案型ブランドのフレグランス機能が実績を伸ばしたほか、敏感肌機能が敏感肌以外の人も含め需要を獲得した。しかし、ボディケア市場の過半数を占めるモイスチャー機能が低価格品や詰替品への需要シフトによって減少したほか、最需要期の天候不順でUV(ホワイトニング)機能が不振だったことなどで、前年比1.4%減となった。2010年は、猛暑の影響でUV(ホワイトニング)機能が2000年以降で最大の市場規模が見込まれることや、フレグランス機能も好調を維持していることから、市場全体も前年比1.1%増と拡大に転じる見通しである。
注目機能市場として、クレンジング・地肌ケア「ヘアケア」では、2009年が187億円(前年比:178.1%)に達し、2010年が258億円(前年比:138.0%)を見込む。クレンジングまたは地肌ケア機能を訴求した、シャンプー、リンス・コンディショナー、ヘアトリートメントを対象とした。2000年代半ばにサロンなどでヘッドスパメニューが積極的に提案され、地肌ケアへの認知度が高まったことを受けて2007年の「h&s」(P&Gジャパン)を皮切りに地肌ケア訴求製品が登場した。2009年は、「h&s」のアイテム追加に加え、「アジエンス ネイチャー・スムース」(花王)や「サロンスタイル プレシャスヘッドスパ」(コーセーコスメポート)の投入で、市場は前年比78.1%増と大幅な成長を遂げた。2010年も、「ツバキ ヘッドスパ」(エフティ資生堂)や「h&s ヘッドスパリフレッシュ」シリーズの投入により、市場は前年比38.0%増が見込まれる。
UV(ホワイトニング)「ボディケア」では、2009年が260億円(前年比:94.9%)に達し、2010年が284億円(前年比:109.2%)の見通しだ。UV(ホワイトニング)機能を訴求したボディシャンプー、リップクリーム、ボディクリーム・ローション、サンタン・サンスクリーンを対象とした。最需要期である夏季の天候に市場動向が大きく左右される。2009年は天候不順を始め、低価格ながら高機能化が進むトイレタリー製品への需要シフトで前年比5.1%減となった。2010年は春季に低温が続いたものの、夏季が猛暑となったことでサンスクリーン機能への需要が急増し、市場の反転が見込まれる。
アンチエイジング(くすみ・小じわ)「ベースメイク」では、2009年が593億円(前年比:105.7%)に達し、2010年が605億円(前年比:102.0%)と予測する。アンチエイジング(くすみ・小じわ)機能を訴求したメイクアップベース、ファンデーション、フェイスパウダーを対象とした。2009年は、前年に発売された「ソフィーナ プリマヴィスタ」(花王)、「リバイタル グラナス」(資生堂インターナショナル)の実績に加え、「エリクシール プリオール」(資生堂)、「アグレーラ」(ポーラ)、「インプレス IC リバイタライジング」(カネボウ化粧品)など新ブランドの投入が相次いだことから、アンチエイジング市場は前年比5.7%増となった。エイジングケアへの消費者の関心の高さから市場の拡大が続くと考えられるが、この市場も不況の影響を受け2010年は前年比2.0%増と伸び率が鈍化する見込みである。
[調査方法]富士経済専門調査員による調査対象企業および関連企業・団体等へのヒアリング調査
[調査期間]7月から9月
[小売価格]10万5000円(税込)
※CD-ROM付き価格:12万6000円(税込)
富士経済=http://www.group.fuji-keizai.co.jp/
■関連リンク
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