視聴率もカツラもズレた!? TBS5夜連続ドラマ『99年の愛』とはなんだったのか?

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 草なぎ剛主演で、11月3日〜7日に5夜連続で放送されたTBSの60周年記念ドラマ『99年の愛〜JAPANESE AMERICANS〜』。99年前にアメリカへ渡った日系移民が人種差別や戦争の恐怖を乗り越え、家族愛を貫く姿を描いた。脚本家・橋田壽賀子が、自らの"遺言"として、「戦争と平和」をテーマに執筆した彼女の集大成となる作品だったが、視聴率は一度も20%を越えることなく、平均視聴率も15.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・以下同)。ある週刊誌記者は次のように明かした。

「5夜連続で石原裕次郎の人生を描き、2004年に放送された『弟』(テレビ朝日系)は平均23.8%を記録。同じく橋田脚本で5夜連続で05年に放送された『ハルとナツ』(NHK総合)は平均18.3%、フジテレビが今年3夜連続で放送した三谷幸喜脚本の『わが家の歴史』は平均20.2%を獲得。『99年の愛』は他局の大型ドラマと比較すると、低い視聴率となりました。5夜連続11時間で、日本の2大基幹産業である自動車と家電の最大手・トヨタとパナソニックの2社提供により、通常の10話程度の連続ドラマ数作分となる10億円程度の予算を投じたにもかかわらず、この視聴率でTBS局内は青息吐息。特に第1夜は12.6%と低迷したことから、不穏なムードになったそうです。内容としても、橋田脚本ならではの、異様なまでに長い説明台詞ばかりで厳しかった。やはり99年の歴史を流れを説明するのは、大脚本家にも難しく、橋田壽賀子の限界が見えましたね。一番気になったのは、小林稔侍の髪型。アメリカの強風地帯で撮影されたために、小林のカツラがズレまくっていました。視聴率もカツラも想定よりズレまくったドラマでした」

 7日放送の第5夜はフジテレビの『プロ野球日本シリーズ 中日×ロッテ 第7戦』が20.6%を記録する中、『99年の愛』は19.1%を獲得。『日本シリーズ』とバッティングしなければ、更なる高視聴率が期待できた可能性もあったという。

「TBSはゴールデンタイムの平均視聴率が低迷し、テレ朝の後塵を拝して、民放第4位。その中で『99年の愛』は健闘したように思います。特に戦争のシーンは圧倒的なリアリティを誇り、台本ではわずか2行の戦闘訓練シーンにも3日をかけて撮影するなど、演出へのこだわりは秀逸でした。ドラマ『さとうきび畑の唄』『華麗なる一族』、映画『私は貝になりたい』で知られる福澤克雄氏が演出を担当し、アメリカの広大な農場のシーンなどロケ地にこだわり、映像美は圧倒的でした。日系1世、2世の親子2代を演じた草なぎ、船から海に飛び込み、ずぶ濡れのシーンも演じた仲間由紀恵らキャストの実直な演技も目を引きました」(テレビ情報誌ライター)

 視聴率は単なる指標の一つに過ぎず、総合的な評価は見た人間によって異なるはずだ。アメリカに夢と希望を抱いて日本から渡航したが、仕事もなく季節労働者となり、それでも懸命に働き、やっと自分たちの農場を持ったものの、第二次世界大戦勃発でアメリカ人から迫害された日系移民。強制収容所に収監され、連合国軍側の兵士として徴兵され、それぞれのナショナリズムを胸に、家族を守るために戦い、当時のトルーマン大統領が賞賛するほどの功績を残した。歴史の表舞台に立たない場所で、愛する者との絆のために戦った人々を描いたことは、意義のあることではなかっただろうか。
(文=ポイズン戸田)


※画像はTBS『99年の愛 〜JAPANESE AMERICANS〜』公式ページより



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