日本のインターネット上で、「日本鬼子」の萌えキャラコンテストが行われた件に関連して、実際に中国最大手の検索エンジン百度(Baidu)の検索窓に「日本鬼子」を入れると、同時に検索候補として「萌化」が出現することが4日、実際に試した結果判明した。

 「日本鬼子」は、中国人が日本や日本人に対して悪く言う際に使われる中国語。「小日本」も同義語だが、どちらかといえば日本の国に対して使われることが多いのに対して、「日本鬼子」は確かに擬人的なニュアンスがある。また、時として「小日本鬼子」などとも使われる。

 現在、尖閣諸島(中国名は釣魚島)問題などで中国人がこの言葉を掲げてデモを行っている映像や写真などが流され、日本ではあまり一般的ではなかった「日本鬼子」という言葉がだいぶ浸透してきた。それに伴って、これを検索エンジンで検索しようとするユーザーも増えたという。

 「そこでググッてみたとき、萌えキャラが現れたらどうだろうか。あれだけ怒り狂いながらも掲げているというのに、調べてみれば萌えキャラ。これはきっと面白い!!」(日刊テラフォー)ということで発案され企画されたのが、「日本鬼子って萌えキャラ作って中国人を萌え萌えにしてやろうぜ」というネット上のイベント。11月3日には「日本鬼子代表デザイン」が決定された。

 今回、百度の検索窓に「日本鬼子」を入れると、同時に検索候補として「萌化」が出現するようになったことは、中国でのネット検索シェア7割とされる百度で「日本鬼子」を検索した場合に、「萌化」とあわせて検索する可能性が高まるという意味で、実際に中国で「日本鬼子」がどの程度検索されているかはともかく、日本側のイベントの効果があった、と言える。

 実際に百度で「日本鬼子 萌化」で検索して引っかかったある中国の掲示板には、日本のネット上における今回のイベントの模様を中国語に翻訳して伝えると同時に、実際に投稿された「日本鬼子の萌えキャラ作品」画像を貼り付けているスレッドがあった。

 そこでの別ユーザーによる書き込みでは、「早く我々も別サイトを立ち上げ、“小日本鬼子”の本当の意味を知らしめるべきだ! グーグルやヤフーの検索結果の上位に“小日本”の醜悪な面貌をさらけ出し、決して漫画、キャラクター化して美化させるべきではない!」などの反応がある一方で、「(投稿された作品について)悪くないね〜」など軽いのりのものも見られた。

 日本のネット上で展開されるこの種の発想や動きに対して、中国では伝統的には受け入れられず、正面切った反発が多数を占めるが、マンガ、アニメ、キャラクター、さらに“萌え”という概念含めた日本のポップカルチャーが現在、中国でも急速に広まっていること、特に、90年代以降の若い世代(90後)ではそうした傾向が顕著であることもあって、本件が騒動に発展したとしても、一昔前と違った展開を見せる可能性もある。(編集担当:鈴木義純)



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