林被告「無期懲役」…。 11月1日に判決が下された、いわゆる『耳かき殺人事件』。この事件は、2009年8月3日、被告の林貢二(42)がヘビーに通っていた、ライト風俗・耳かきエステ店の従業員、江尻美保さん(当時21歳)と祖母の鈴木芳江さん(当時78歳)を殺害したとして、殺人罪などに問われた裁判員裁判。東京地裁は、検察側の死刑求刑に対して、無期懲役の判決を言い渡した。
 この一件に関しては、皆その判決に「えっ!?」と思ったことだろう。なにしろ、いわゆる『永山基準』とは一線を画した、有り余るほどの情状酌量を含んだ判決だったのだから、これには多くが「軽すぎる」とか「以後の類似事件に影響が出る」といった声も多く聞かれる。そのあたりについては他に任せるとして、本記事では、この耳かきエステのような『ライト風俗』がはらむ危険性について、改めて思いを巡らせたい。
『ライト風俗』の構造と危険性 『ライト風俗』とは、ここでは、今回の耳かきエステや、若い女の子がマッサージを施してくれる店(指名制の店もある)などをはじめ、キャバクラなども含めることにする。要するに、本格風俗とは違う、ギリギリの「触れ合い」を、なぜ男が求めるかについて考えたい。
 その究極の答えは、一言で言ってしまえば『素人願望』に尽きる。本格風俗店では、お金を払えばある一定の「ヌケる」性的サービスが受けられるが、男性の本能としては、それだけでは満たされない感情がある。つまり『狩猟本能』だ。この本能をくすぐられると、男はたまらないのだ。キャバクラなら、自分の隣、もう手が届きそうなところにキャストが座り、時折ヒザやら太ももやら腕やら、営業に積極的なキャストなら胸などにも触れることもあるだろう。件の耳かき店なら、ヒザ枕をしてもらって、夢心地な中、見上げればカワイイ女の子の胸やら顔を拝むことになる。そんな日常にありそうで、実際彼女でもいなければそうはない接近感。そんな状況に遭遇してしまうと、もう平衡感覚を失い、いても立ってもいられなくなる男も多い。言い換えれば、触れられそうで触れられない、すぐ近くにいるのに制限されている、そんなジレンマが募れば募るほど、男はそれをどうにかして超えたくなってしまうのである。そんな感覚と時間を金で買っていると言ってもいいだろう。
林被告の粘着性、そう簡単には…。 今回の事件は、そんな、「罪深い」サービスに翻弄されてしまった男の、執念の結果の惨劇だった。林被告は、公判の中で「恋愛感情は抱いていなかった」などと述べたようだが、そんなことは絶対にあり得ない。30分で2700円だった店で、月に40万円以上を使ったこともあったという林被告が、殺してしまうまで募る執念を抱くまでの過程で、江尻さんに対し恋愛感情や征服欲を抱いていなかったはずがない。
 では、何故林被告は殺意を抱くまでになってしまったのか。それは一にも二にも
「貢ぎすぎてしまった」からに他ならない。貢ぎすぎた男の心理として「これだけしてあげたのに」という見返りを求める感情が生まれるのは想像に難くない。しかしながら、それを阻まれてしまった。そんな状況に追い込まれた場合、ストーカー気質の人間だと執拗に粘着してしまう。あげく、始末に負えないことになりかねない。殺人に至らないまでも、それに近いような恐怖にさらされているキャストは、今も多数いるだろう。
 身勝手な欲望を膨らませ、殺人という凶行に及んでしまった林被告。だが今回の判決で、「被告は被告なりに反省しているようであるから」と、生きながらえることはとりあえず許された。だが、彼の中で「あれだけ尽くしたのに、それを受け入れなかったあの子にも非があるんだ」という傲慢な意識が、果たして今はさっぱりと消えているだろうか。それを考えるにつけ、やはり一抹の戦慄を禁じ得ないのが正直なところだ。
【文/NANIO】


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