今季JFLで優勝したガイナーレ鳥取が、来季からJ2に昇格、つまりJリーグに正式加盟するようだ。正式決定は11月末とのことだが、承認されるのは間違いないだろう。松本山雅からもヒアリングするようで、とにかくJリーグのクラブ数は増え続ける。

クラブが増えるのはもちろんいいことだとは思う。けれどどう見ても赤字のクラブが多い現状で、やたらに増やすことには疑問が拭えないね。先日の大宮アルディージャの観客数水増しの問題にしても、要するにあれは大宮が無理をしていたということだ。無理をして、嘘をついて、なんとかスポンサーからお金を集めていたのだ。

大宮の問題はああして明るみに出たけれど、観客数水増しはしないにしても、同じように無理をしているクラブはたくさんある。首の皮一枚で生き残っている東京ヴェルディや大分トリニータはわかりやすい例だろう。ヴェルディもトリニータも、Jリーグに借金をして、どうにか生きながらえている状態だ。

Jリーグの設ける基準をなんとかしてクリアして正会員になっても、資金のやりくりが大変で立ちゆかなくなっているというクラブは本当に多い。
これにはJリーグの加盟規定にも問題があると思う。たとえばJ2加盟において、ホームスタジアムは10000人以上収容できること、というのがある。なぜ、5000人ではいけないのか。なぜ3000人ではいけないのか。J2を見れば、10000人規模のスタジアムが必要なクラブはほんの一部であることが誰にだってわかる。

3000人だろうと5000人だろうと、小さくても本当に愛のあるサポーターが応援してくれるスタジアム、それが本来あるべき姿だ。大きなスタジアムは持てる地域と持てない地域がある。十人十色。それでいいではないか。ザスパ草津が前橋で試合をし続けなければならない現状を、Jリーグはどう考えるのかな?

Jリーグは、「地域密着、オラが町のクラブ」という理念にもう一度立ち返る必要があると思うね。本当の理念はなんなんだと。5000人規模のスタジアムが熱いサポーターで埋まる。そういう小さなクラブが日本各地にできることが、サッカー文化の理想、ひいてはJリーグのいう「百年構想」につながっていくと思うのだけど、どうだろうか。

大きくて賃料も高いスタジアムを持ってないと仲間に入れないよ、というのでは、純粋にJリーグを目指しているサポーターやスタッフがかわいそうだし、必ずどこかで無理が出るよ。というかもう出ているのだけど、大きなビルで暮らしているとなかなか理解できないのかもしれないね。(了)