「結婚は女の人生のあがりではない」ことに「さすがのJJも気づいて」いる。ananもまた、モードの最先端の座を降りた。1970年代に創刊し、かつては女性の花道(上昇婚=JJ、あるいは自立する女性=anan)へと迷える女性たちをけん引してきたファッション誌の双璧は迷っている。この先どこへ行ったらよいのかと。

 一方、読者であった女性たちは、それらの老舗ファッション誌に先駆けて気づいていた。結婚やキャリアが、女性の花道でも女の人生のあがりでもないことに。そして、すでに第三の道を歩み始めている。それが「私萌え」。

 「私萌え」とは、おたくがフィギュアやアイドルを愛でるように、自分自身にうっとりし、幸福感に酔いしれること。そのためのメイク&ファッションを選ぶ。今日はキャバ嬢風、明日はガーリー......、その日の気分に合わせて、バービー人形のように自分を着せ替え、メイクし、日替わりコスプレを楽しむ。ファッションを選ぶ基準は自分がカワイイと思えるかのみ。男性うけや職場うけの狙いはない。

 今やJJやananが謳ってきた、社長夫人になるためのお嬢様ファッションや、自立した女になるためのキャリアファッションのどちらかを選ぶ必要はない。21世紀女子は、仕事も結婚も子どもも美貌も、欲しいものはすべて手に入れるのだから。

 いつまでも少女のような平子理沙、カリスマ主婦を脱皮した黒田知永子、美のカリスマ君島十和子、バービー体型を維持し続ける萬田久子......、彼女たちがすべてを手に入れることができることを立証している。

 もちろん、いつまでも私が私に萌える女で居続けるためには、仕事で輝き、出産しても元の体型をキープし、スキンケアやメイクで若々しい肌を保ち......、と日々研鑽し続けなければ無理。

 『おひとりさまの老後』の著者で社会学者の上野千鶴子氏が、アラフォー女性は「『女力(美貌)』ではなく、『自分力(仕事)』に投資すべき」とするのに対し、アラフォー女子を代表し、『私に萌える女たち』著者・米澤泉は異を唱える。「女性は、男性のために、結婚のために『自分磨き』をするのではない。一生『大人カワイイ』姫で生きていくため、バービー人形のようにおしゃれを楽しめる私でいるため、そして一生、自分に萌えるために美貌を保つのだ」と。

 21世紀に生きる女子は、「私萌え」という、「あがり」のない最強の幸せを手に入れようとしているのかもしれない。



『私に萌える女たち』
 著者:米澤 泉
 出版社:講談社
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