【斉藤アナスイの本棚】まさかの夢オチで終わったマンガたち

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あるマンガが新しく始まるということは、紙面の関係上、別のあるマンガが終わることを意味します。その中には「伏線をちゃんと回収し、綺麗に完結したマンガ」がある一方で、「まとめきれなくなってスゴい終わり方をしたマンガ」「突然の打ち切りなどにより衝撃の終わり方をしたマンガ」なんかも…。そんなわけで今回は、マンガ完結の最終手段「夢オチで終わったマンガ」をご紹介。ちなみにこの記事ではマンガのネタバレを含みますので、というかネタバレしか含まないので、ご了承の上お読みいただけると幸いです。

木多康昭『泣くようぐいす』-少年マガジン全7巻。野球部なのにまったく野球をやらなかった、前作『幕張』(少年ジャンプ)と似たような設定ですが、今回はちゃんと野球シーンもあり。ただ途中でロボットになって悪の組織と戦ったりしたのがまずかったのか、まさかの連載終了へ…。衝撃のラストは夢オチは夢オチなのですが、そこはさすが木多康昭。編集部への当てつけか、終了が決まった後にあえてストーリーを複雑にする、ニューキャラクターを登場させるなどやりたい放題。夢オチへの伏線を張るという、らしさを見せてくれました。主人公逮捕されるし。大好きなマンガです。おすすめ。

江川達也『東京大学物語』-ビッグコミックスピリッツ全34巻。ドラマにもなった超人気マンガ。これも夢オチ(妄想オチ)マンガのひとつです。軸になる大学受験の話を経て、結婚して、そして死の床。ヒロインの遥を抱きしめようとすると遥は消えてしまい…。そんな都合のいい女がいるわけない、と孤独に死のうとした瞬間、場面は遥との出会いの場に。つまりは全ては、遥を一目見た主人公・直樹の妄想だったというわけです。しかししかし。現実に戻った直樹はなんと実際に遥と付き合うことに。いやーめでたしめでたし。ところがところが。っていうのも含めて遥の夢だったという、まさかの夢オチ二段構え。いや、この後も実は直樹の妄想だったとか、それもまた遥の妄想だったとか…。何かとにかく夢オチです。

原作・木内一雅 作画・渡辺潤『代紋TAKE2』-ヤングマガジン全62巻。15年に渡る長期連載をした、ヤングマガジンの人気漫画。ちなみに「夢オチ」ではないのですが、似た部類の完結をした作品として紹介させていただきます。物語は、ヤクザの主人公が一回は死ぬものの、なぜかタイムスリップ。記憶と人生経験を残し人生をやり直す、といった流れになります。で、オチから言いますと、すべて「ゲームの中の話」だったと。マンガのストリーは全部「ゲームの中のストーリー」で、主人公も「ゲームの登場人物」。小学生がテレビの前でゲームをやっている、というシーンで終わります。最初からタイムスリップ(リセット)するあたり、終わり方はこれで決まっていたんだろうと思います。ただちょっと、連載期間が長かった。話が壮大だった。そしてまた、マンガとしてかなり面白かった。そんなわけで、釣り合っていない急展開のオチに涙目になったファンが続出しました。

(番外編)水島新司『あぶさん』-ビックコミックオリジナル『あぶさん』は今でも好評連載中、今回は番外編として紹介させていただきます。さて、現実のプロ野球とリンクしていることでも知られる『あぶさん』。ですがプレーオフ導入により、2004年日本シリーズに出るチームが決まる前に締め切りが来てしまうという、微妙なタイムラグが生じました。『あぶさん』で描かれた日本シリーズは「ダイエー対中日」、しかし現実の日本シリーズは「西武対中日」でした。水島新司はダイエーでの日本シリーズを完結させた後に、この誤差をあぶさんの妻・サチ子の夢だったという「夢オチ」としてまとめました。こんな「夢オチ」もあるんですね。

(テキスト&イラスト 斉藤アナスイ)


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