もし、あなたの住んでいる町が明日、なくなったら?

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 もし、あなたの住んでいる町が明日、なくなったら…。そんなことを考えたことはありませんか?

 家に寝に帰るだけの人も、毎日商店街で買いものをしている人も、その町に住んでいるという点では同じです。「町」というものは、そこに住んでいる人々にとっては誰にとっても等しい存在であるといえます。
 健康で文化的な生活を送れる町 ― 誰もがそんなところに住みたいですよね?

 「自治体の財政破綻とその再生への道のり」をテーマにした稀有な小説『再生の町』(菱田信也/作、TAC出版/刊)は、読者に対して「町は誰のものか」という強烈な問いを突きつけます。

 本作は大阪府にある架空の自治体「なみはや市」を舞台に、財政再建プロジェクトチームに入れられたある1人の地方公務員を中心に描いたものです。
 そのセンセーショナルさで支持を集めたニュータウン開発。しかしその裏では、社会問題や政治とカネの問題が明るみとなり、コミュニティーの崩壊がはじまっていました。

 住民が苦しみ、地域の連帯が失われていく一方で、財政を立て直すために、プロジェクトチームが選んだ道とは…?

 少し前に北海道夕張市が財政再建団体となり、事実上“倒産”したことが話題となりました。日本全国には夕張市と同じように、財政問題に取りくむ自治体が数多くあると言われます。「なみはや市」の舞台の大阪府も、橋下徹氏が知事になって以来、その財政問題が誰の目にも分かる形で明るみになりました。

 本作を読むと、財政問題は住民たちを疲弊させ、健康で文化的な状態から程遠い生活を強いることが分かります。他人事ではなく、役人も住民も、自分の問題として考えること。それがどの自治体でも大事であることを教えてくれる小説です。
(新刊JP編集部/金井元貴)


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