今年の国慶節連休(10月1日〜7日)の訪日ツアーは、尖閣問題をめぐりこれほど物議を醸したにもかかわらず、壊滅的な影響とまでは至らなかったようだ。メディカルツーリズム(医療観光)においても、日本の一部の受け入れ先からは「キャンセルもなく予定通り決行した」とのコメントもあり、日本の優れた医療技術に寄せる中国人の関心の高さを伺わせている。

 2010年には9兆円規模の市場になるといわれるメディカルツーリズムだが、なぜ中国人は日本の医療にこれほどまでに注目しているのだろうか。

「3時間待って診察は3分」――。上海市内の大病院を形容する言葉だ。誰もが診察の質に疑問を持つ。だが、3時間待ちならまだいい方だ。腫瘍の専門治療を受ける張民生さん(仮名、男性・74歳)は朝5時半から列に並んだ。付き添いで病院に来た実の娘は言う。「11時頃にようやく順番が回って来ますが、診察はあっという間に終わってしまう。全国から患者が集まってくるから仕方がないのですが」

 上海市の病院は大きく三級、二級、一級病院に分類される。一級病院はいわゆる“町のお医者さん”、二級は区立の総合病院、三級は国立病院に相当する。市民は「単なる風邪」でも三級の大病院に駆けつける傾向が強く、一日数千人の患者が殺到する。

 その三級病院を辞めた中国人医師がいる。李月華さん(仮名、女性・50歳)は、その理由を「毎日80人近くを診察しなければならない、正直これに疲れました」と打ち明ける。彼女は今、「患者との対話」を大切にした診療を求め、市内の民間の病院で働いている。

 最先端医療では中国でも群を抜く上海市、その医療環境や技術は日進月歩だ。医師も日々、限界に近い数の診察をこなすことで経験を蓄え、外科医ともなれば、日本人医師を上回る腕前の持ち主もいる。

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