組織の一員として会社勤めをすることが向かないと思っている人、コミュニケーションが苦手で人付き合いを避けがちな人、代わり映えのない毎日に退屈を感じている人など......。不登校児に限らず、社会の一般的な規範から外れがちな人たちは、自分自身に「失格者」の烙印を押してしまうことが少なくありません。しかし、メンタルトレーナーの久瑠あさ美氏は、その烙印は間違っているといいます。

 「何かに不向きであるということは、単純に自分の個性のひとつに過ぎない」と久瑠氏。不向きがわかったときというのは、そんな自分は他のどんなことに向いているか、どんなことなら積極的になれるかに関心を向けるチャンスだというのです。

 久瑠氏は企業経営者のメンタルトレーニングも行っており、そのなかでよく、「自分はダメ人間だから」という台詞を聞くそうです。企業経営者なのに「ダメ人間」。それはつまり、働き出したばかりの若い頃に、「自分には会社勤めはムリだ、他人の指示を受ける仕事が性に合わない」と一般的な道は選ばずに、自分の自由にやれる道を探してきたということ。
 
 そう聞いて久瑠氏は、「極端に振り切れた振り子のような"アンビバレンスな個性"こそ、魅力やチャンスにできる」と気付いたそうです。

 大事なことは、自分が「何かをやりたくない」「何かに向いていない」と気づいたときに、自己否定的にネガティブに捉えるのではなく、あるがままの自分を肯定して、「では、自分はどの道を進んだらよいか」というパワーに変えることです。できない理由にとらわれるのではなく、やれる方法を考える。

 人間はただでさえ、自分のしたいことを見つけるのが苦手な存在だといわれています。「自分はこれがしたい」とはっきり言える人であっても、じっくり話を聴いてみれば、それは他人や社会から知らず知らずに押し付けられたものであったり、自分と他人とを比べた中で生まれた目標であることが多かったりするそう。

 何かを「したくない」という気持ちをネガティブにばかり捉えてばかりいると、結局「何もできない」なんてことになってしまいます。それよりも、「ダメな自分」も個性として肯定的に受け止めて、自分の「本当にしたいこと」を探す手がかりにすることが必要なのかも知れません。



『一流の勝負力』
 著者:久瑠 あさ美
 出版社:宝島社
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