“ありのままの自分を晒す”ことは実は容易なことではありません。それが受け入れてもらえなかったとき、自分を全否定されたような気分になってしまうかも知れないからです。

 特にビジネスの世界では自社や製品を良く魅せるために様々な手段を使いますが、そうした風潮に対して一石を投じるのが米国のコンサルタントであるパトリック・レンシオーニ氏です。

 レンシオーニ氏は、“Getting Naked”において、“ジャック・バウアー”という何処かで聞いたことある名前のコンサルタントが主人公のビジネス寓話を通して“ありのままの自分を晒す”ことの重要性を解くのですが、“ありのままの自分を晒す”ことは以下のようなメリットをもたらすと主張します。

・クライアントは、ありのままを晒すサービス提供者はアイデアを出し惜しみしたり、間違いを隠蔽したりしないことを知っている為、彼らを信頼する。
・クライアントは、信頼しているサービス提供者を、他のベンダーや部外者と比べパートナーやチームメンバーとして扱ってくれる。
・ありのままを晒すサービス提供者は、クライアントの尊厳や人間性を尊重しながら伝えにくいことを伝えることができる。
・ありのままを晒すサービス提供者は、誰もが恥をかくことを恐れて口に出来ない質問をする。
・ありのままを晒すサービス提供者は、違い犯すことを楽しんでいるのではなく、ミスは必ず避けて通れないことを知っている。
・クライアントの前で、ありのままの自分をさらけ出すことは信頼を築くことである。


 つまり、人間はビジネスの世界においても、正直な者でなければ確固たる信頼を築くことはできないということです。通常の人間関係でもそうですが、「言うべきことを言える」関係というのは、信頼の上に成り立っているわけであり、信頼してこそ発言を受け入れられるのです。
 レンシオーニ氏は、作中において“ありのままの自分を晒す”ことは「全てはクライアントのニーズために」という原則を守るものであると言います。

 もちろん、バカな提案をし、呆れられてビジネスを失ってしまうかも知れない、自分が愚か者に見られて恥をかいてしまうかも知れないといった恐怖も生まれるでしょう。しかし実際はそんな恐怖は些細なものであり、晒けだすことで得られる価値のほうが実は高いのです。

 “Getting Naked”は米国で出版され話題となっている一冊ですが、残念ながら、邦訳版はまだ刊行されていません。しかし、オーディオブック販売サイト「FeBe」で配信されている『エグゼクティブ・ブックサマリー』では本書の日本語要約版が音声とPDFが11月10日までダウンロードできます。
 ビジネスは自分を晒すこと。要約版を聞いて是非実践してみませんか?
(新刊JP編集部/金井元貴)


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