結果が出てようやく笑顔が戻ってきた浅尾美和。雨の中、途切らすことなく声を出し続けた。望みは初優勝。これ以上の笑顔が見られるか。
 ビーチバレーJBVツアー第7戦、川崎市長杯は9日、大会3日目を迎えた。あいにくの雨模様の中、川崎マリエンビーチバレーコート(川崎市)にて、男女の準決勝などが行われた。

 男子は、川崎マリエンをホームコートとする朝日健太郎(フリー)白鳥勝浩(湘南ベルマーレ)組が、順当に決勝へ駒を進める。その王者の相手に名乗りを上げたのは、井上真弥・長谷川徳海組(フリー)。同じく「打倒王者」に燃える西村晃一・仲矢靖央組(WINDS)をフルセットの激戦の末、下した。明日の決勝は3戦連続の同カードとなるが、いずれも朝日・白鳥組が退けている。

 女子の準決勝は、浅尾美和・草野歩組(エスワン)が、4戦4敗と苦手としている浦田聖子・西堀健実組(フリー)に2−1で勝利。「アサクサペア」はJBVツアーでは初の決勝進出となる。また、田中姿子(エコ計画)溝江明香(産業能率大)組は、楠原千秋・三木庸子組(フリー)をストレートで下した。
 大会最終日となる10日は、男女の3位決定戦、決勝が行われる。

 シーズン開幕当初「元ペア対決」と言われた、浅尾・草野組と浦田・西堀組。しかし対戦成績はここまで、浅尾の4戦4敗。今では「対決」とは呼べなくなっていた。浅尾も「(西堀を)以前は意識していたが、いまでは全チームがライバル」と話す。しかし、5度目の「対決」は言葉通りの戦いとなった。

 朝からのそぼ降る雨は、女子準決勝の開始時刻は豪雨と化していたが、そんな雨に負けじと声を張り上げていたのは浅尾美和だった。「声を出せば足が動く。私はそんな選手なので」と話す通りにプレイも良くなっている。ここまで常にサーブで狙われ、ミスを連発し自滅していく。これまでの浅尾組のパターンだが、今大会は違う。

 第1セット。浅尾は、浦田・西堀にサーブで狙われるものの、確実にサイドアウトを切り、正確性を増した草野のサーブに繋げていく。21−14の大差でセットを取るが、第2セット、浦田・西堀が狙いを浅尾から草野に替え、揺さぶりをかけきた。18−21で落とす。しかし「準決勝ならファイナルセットまでいくのは当然。揺さぶりをかけられるのも想定内」(草野)とまったく動じない。浅尾の声も途切れることがなく、レシーブミスも減り、長いラリーでも集中力が落ちることがなかった。第3セットも終盤までもつれたが、最後は草野のロケットサーブ2発で浦田・西堀を沈めた。

 5度目の対決で初勝利。「浦田・西堀ペアには一度も勝ったことがなかったから嬉しい」と話し、明日、初優勝に向けても「しっかり準備ができれば」と語った。

 ここ数ヶ月、浅尾・草野にはコート上でも会見場でも笑顔はなく、チーム解散報道も飛び交った。しかし今日は「プレイしていて楽しい。ミスが減ったから」(草野)と話し、終始にこやかな試合後の会見。負けなしで迎える決勝戦。初優勝をかける大一番。明日も笑顔の会見となるのか。


□朝日健太郎(35・フリー)
 若く勢いのある相手だったので、おじさんチームが負けないようにがんばった(笑)。ここはホームコートだが、いつもと違いスタンドがあるので風が読みづらい。(今日は朝日の1ブロック)相手、戦術うんぬんではなく、コンディション、集中力で決めている。しかし勝負所は、自分がブロックに跳ぶ。

□井上真弥(28・フリー)
 西村組は経験があり、いつも揺さぶりをかけてくる。試合中も何度か流れを持っていかれそうになったが、要所で決められた。(サーブが長谷川に集中した)彼が普段狙われることがないので、小さな長谷川の目は半分になってました(笑)。明日の決勝は、自分たちを変えることはない。ミスを小さくプレイを大きく…。