宝島社が主催する長編ミステリの公募新人賞、第9回「このミステリーがすごい!」大賞の受賞作が発表された。大賞賞金1200万円を射止めたのは、東京都在住の鍼灸師、乾緑郎さん(1971年生まれ)。
 選考委員の絶賛を集め、満場一致で選ばれた受賞作は、SF設定の現代サスペンス『完全なる首長竜の日』。小説の冒頭部分と選評(一次、二次、最終)は、「このミス」大賞のサイトhttp://konomys.jp/で読むことができる。来年1月早々に宝島社から単行本として出版される予定。
 乾さんは、舞台の俳優・演出家・脚本家として長く活動。『完全なる首長竜の日』は、自作の舞台「LUXOR」(2009年6月、SPIRAL MOON初演)を小説化したものだという。少女マンガ家を主人公に、映画「インセプション」ばりの現実崩壊感覚がリアルに描かれる。

 しかしこの乾さん、実は、今年8月に、ひと足早く、べつの新人賞を受賞している。朝日新聞出版が主催する、第2回朝日時代小説大賞がそれ。そちらの受賞作、『忍び外伝』(応募時タイトル「忍法煙末」改題)は、果心居士や百地三太夫が活躍する忍者アクション。〈小説トリッパー〉秋号に、冒頭部分と選評が掲載されている。単行本は今年11月ごろに刊行予定。

 朝日時代小説大賞の賞金は200万円なので、乾さんの獲得賞金額は合計1400万円。はたして第二の海堂尊になれるか。超大型新人の今後に注目だ。

(大森望)







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