ダウンロードゲームの新しいプロモーション手段?! 電子書籍で『Wiiウェア』のオフィシャル攻略本を出すNIGOROの挑戦

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ネット世代には、気軽で安価に入手できて便利なゲーム機のダウンロードゲーム。一方で、パッケージゲームと比べて予算が少ないことからプロモーションが難しく、その存在が一般に認知されにくいのが現状です。『Wiiウェア』としてリリースされた『ディシプリン*帝国の誕生』は、クリエーターの飯田和敏氏が自ら広告塔として、ガジェット通信を始めとするメディアへ積極的に露出することで注目され、一時は『Wiiショッピングチャンネル』の『Wiiウェア』ランキング1位を獲得したことは記憶に新しいところ。それでは、有名クリエーターが参加していない作品は、どのように認知してもらうべきなのでしょうか。ゲーム制作集団NIGOROは、電子書籍でオフィシャル攻略本を配布することにより、この冬リリースされるゲーム『LA-MULANA(ラ・ムラーナ)』のプロモーションに挑戦します。

Wiiウェア版『LA-MULANA』スクリーンショット
『LA-MULANA』は、もともとNIGOROのメンバーがPCのインディーズゲームとしてリリースし、MSXテイストの内容が国内外で支持されたレトロゲーム調2Dアクションゲーム。北米版と欧州版をNicalis社が、国内版をNIGOROの所属するアスタリズムが販売を担当し、年内に全世界でほぼ同時にリリースが予定されています。

このゲームの特徴は、ゲームの舞台となる巨大遺跡『LA-MULANA』に隠された、実在の神話や伝承、超古代文明に基づく圧倒的な時代考証の数々。攻略情報だけでなく、その世界観や設定を詳しく解説する電子書籍により、その魅力を知ってもらおうというのです。NIGORO代表の楢村匠氏は、「ファミコンの説明書を見てワクワクしたり、持っていないソフトも攻略本を見て頭の中でプレイした」(同氏)世代。最近のデータの羅列になった攻略本には魅力を感じないため、自ら「読み物としても成り立った攻略本を作ってみたい」(同氏)と考えたそうです。

読み物として充実した内容になりそう
攻略本は、上下巻の2冊を予定。上巻『LA-MULANA公式攻略本 基礎知識編』では、ストーリーや操作方法、キャラクターの紹介、ゲームのハイライト集とフィールド攻略のほか、古代遺跡に関するコラムを収録します。下巻『LA-MULANA公式攻略本 完全攻略編』では、見開きマップやアイテムのコンプリートガイド、ルートガイドのほか、考古学講座や設定資料集、制作秘話などを収録。いずれも“読み物”として楽しめる内容になりそうです。

配布方法は未定ですが、上巻は無料、下巻は有料で販売を予定しています。今のところ、PDF形式でNIGOROサイトからダウンロードで提供し、有料の下巻は『PayPal』で販売を予定しているとのこと。

この日の取材は、『エキサイトレビュー』との共同取材となり、『エキサイトレビュー』から聞き手としてクリエーターの米光一成氏も同席。『電子書籍部』を主催し、作家が手渡しで電子書籍を販売する『電書フリマ』を開催している同氏から、「電子書籍@ゲームを開催しようと考えている」というプランが明かされました。これにはNIGOROのメンバーも興味津々。このイベントが開催される際には、NIGOROの『LA-MULANA』攻略本も出店されるかもしれません。

攻略本は絶賛制作中。Wiiウェアのリリース前には配布を開始する予定
攻略本の執筆には、旧『LA-MULANA』の攻略サイトを公開したユーザーも参加しているとのこと。「NIGOROがもともとそうだったように、ネットで集まった仲間が一緒に作ることがうちのやり方かなと思う」と楢村氏は語ります。9月29日に開催された任天堂カンファレンスでは、岩田聡社長が自ら「任天堂ハードで売れるのは任天堂ソフトばかり」という現状を認める発言が話題になりました。任天堂以外のサードパーティーが、インディーズゲーム出身のタイトルを、さらにダウンロードで販売するという、売れるためにはハードルが高い状況を打破するには、“ネット”と“電子書籍”という大手メーカーが使いこなせない武器を利用するのは有効かもしれません。『LA-MULANA』の今後に注目したいと思います。

※この日のNIGORO楢村氏と米光氏の対談は、『エキサイトレビュー』記事「MSXを忘れられない! 2Dアクションがよみがえる「LA-MULANA」(ラムラーナ)」(http://www.excite.co.jp/News/reviewapp/20101001/E1285857661152.html)で読むことができます。

『LA-MULANA』公式サイト


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