雑誌の休刊情報が相次ぐ昨今だが、新しい試みが始動しようとしている。その名は「レポ」(季刊)。全80ページという軽さのこの雑誌に、ぜひ注目していただきたい。
 名前が示すとおり、この雑誌に掲載されるのは「レポ」、すなわちレポートであり、あるいはルポルタージュであるような原稿だ。かつて、1980〜90年代の雑誌には、読物としてのレポートが大量に掲載されていた。サブカルチャーの花形として名を売った書き手の中には、そうした軽い記事から出発したライターが多数いる。本誌の発行人である北尾トロもその一人と考えていいだろう。本誌は北尾が、今ではあまり見かけなくなってしまった「読物としてのレポート」をもう一度読みたい、という発想から誕生している。創刊号の執筆陣の中には、えのきどいちろう、霞流一、グレゴリ青山、やまだないと(四コマ漫画連載)ら著名ライターの名も見える。第二号以降さらに新戦力が投下される予定だ。
 雑誌としての特徴は、一般書店売りをしないということである(一部書店では販売)。配本をして売掛金を回収するというシステムをとらず、予約購読者に直接商品を送り届ける。つまりは通販雑誌なのだが、北尾は「自分から読者への手紙」だと本誌を定義している。趣味から始まった雑誌を、同好の士に送り届ける。だから「手紙」ということなのだろう。出版界に嵐を巻き起こすほどの大きな出来事ではないが、こうした新規の試みを積み重ねていく以外に、この業界を再生させる途はない。ちなみに購読予約は1号ごとではなく、1〜4号までの年間予約のみ。その理由は「嫌になっても4号は続けないと、という縛りができるから」。4号といわずぜひ長く続けてもらいたいが、このぐらいの柔らかい決意のほうが、新しく物事を起こすにはいいのかもしれない。
 購読などの詳細はhttp://www.repo-zine.com/about.htmlへ。

(杉江松恋)







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