〈爆笑問題〉太田光、小説デビュー作の出来は?

 9月22日、京王プラザホテルで開かれた恒例の新潮社新作ラインナップ発表会にサプライズ・ゲストとして登壇したのが〈爆笑問題〉の太田光。この秋、初の短編小説集『マボロシの鳥』を新潮社から刊行することがアナウンスされると、、開口一番、
「(水嶋ヒロの事務所退社騒動にひっかけて)どうも。絢香と相談して、文筆業に専念することになりました」とギャグを飛ばす。以降も、
「担当編集者から、『1Q84』より面白いのを書いてくれと言われまして、はい、わかりました、と」
「最初は『ホームレス中学生』というのを考えたんですが、先を越されちゃいまして」
「直木賞をとるにはだれにお金をあげればいいのか、知っている人がいたら教えてください」
 ......などなど、ギャグを連発(やや滑り気味)。
 発売予定の『マボロシの鳥』については、
「今まで読んできた、僕が好きなSFやファンタジーがいっぱい入った、そういう短編になっていると思います」と真面目に解説。「ちなみに、今日、会場に用意されている料理の鶏肉は、すべてマボロシの鳥を使用しておりますので、じっくりご賞味ください」とギャグで締めくくった。

 問題の『マボロシの鳥』は、全9編を収録する書き下ろし短編集。場内で配布された表題作のサンプル版を早速読んでみた。主役は、この世でもっとも美しい鳥(ただし、人によって見え方は違う)を胸からとりだすことのできる天才芸人、魔人チカブー。だが、ある夜、オリオン劇場の公演で悲劇が起きる......。
 芸人の"業"を(もしくは芸術の本質を)描く、切なくも美しい寓話的ファンタジー。読書家として知られる著者だけのことはある出来で、太田光版"9つの物語(ナイン・ストーリーズ)"の刊行を楽しみに待ちたい。

(大森望)







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