クリエイター(研究者)にとって、学歴は必要なのでしょうか――。こう問題を提議するのは、九州大学大学院医学系学府主幹教授の中山敬一氏です。

 中山氏は、研究者にかぎると学歴と研究の能力の間に相関はかなりあるといいます。どんな職業にも当てはまることでしょうが、優秀な研究者の素養として、論理的にものごとを考える力やその基盤となる一般的な知識はもちろん必要です。何より、「与えられた課題に立ち向かって、それを越えていく」能力は必須であることは言わずもがなです。

 そして、その能力が遺伝的な形質と幼少時からのトレーニングによるとすれば、18歳の時点における一つのハードル、すなわち大学受験の際にその能力が反映されるのは明らかではないでしょうか。中山氏の経験上では、「70%くらいは相関するような気がする」といいます。

 しかし、学歴といわゆる「頭の良さ」は完全に比例するかというと、そうでもありません。むしろ「努力の仕方を知っている」ことに比例すると中山氏は指摘します。そういう人は科学をやっても伸びるそうです。ただ、中山氏がこれまでに出会ったいわゆる「天才型」の研究者はどうもこのカテゴリーに入らない人が多いそうです。

 それはなぜでしょうか。

 答えは簡単で、現在の大学受験のシステムが、オールラウンドプレイヤーでなければ高得点を取れないような仕組みになっているからです。世の中には、たまに「理科オタク」がいて、こういう人は国語や英語、社会などはまったくできません。でも、理科だけはやたら強い。
 
 こういう人が科学をやると、のめり込むように研究し、飛躍的に能力を開花させるといいます。

 もちろん、こういう人の中にも、あまり論理構築力がない人がいて、あまたの実験はするけれども論文をまとめることができないという研究者(実験オタク)もいます。こういう人は良い指導者やパートナーに恵まれると、優れた研究者に変身するケースがあるのだとか。

 とにもかくにも、クリエイターに必要なものは「課題に立ち向かっていく力があるか」「努力の仕方を知っているか」、この2点に尽きるのかもしれません。



『君たちに伝えたい3つのこと』
 著者:中山 敬一
 出版社:ダイヤモンド社
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