「本の雑誌」本誌でも特集が打たれたとおり、現在、翻訳ミステリーの興隆を目的としたさまざまな動きが起きている。そのうちの一つが、翻訳者・評論家・編集者などの有志によって運営されている情報サイト「翻訳ミステリー大賞シンジケート」(http://d.hatena.ne.jp/honyakumystery/)だ。
 この夏、同サイトは未来の翻訳ミステリーファンを育成すべく、特別企画を開催した。18歳以下の読者を対象としたレビュー・コンクール〈真夏の読書探偵〉がそれである。18歳以下を対象(浪人生も可)としたこの企画が目指すものは、「お行儀の悪い読書」だ。夏休みに出された読書感想文の宿題に悩まされて、ついに本を読むのが嫌いになってしまった、というような人も世の中にはいるだろう。本を読んで感想を語り合うという行為は本来とても楽しいものなのに、「お行儀」を求められることによって変にかしこまったものになってしまい、読書の楽しみが疎外されてしまう。そうした考えから、このコンクールではレビューの書き方や指定図書など、細々とした期制をすべて外した。一切自由。ただし、読む本は翻訳ミステリー(ミステリーじゃなくても可)に限らせていただく、というのが基本姿勢である。コンクールの選考委員には作家の川端裕人、翻訳者の羽田詩津子、田口俊樹を迎え、プロがレビューの審査に当たる。
 すでに夏休み期間は終了してしまったが、残暑もまだまだ終わらないとあって、募集期間は9月末まで延長された(詳細はhttp://d.hatena.ne.jp/honyakumystery/20100915/1284528678)。「学校の国語の時間にはいつもつまらない思いをしている」「国語の先生なんかより自分のほうがよほど小説のことをわかっている」──そんなあなたがもし18歳以下の年齢だったら、試しにこのコンクールに応募してみてはいかがだろうか。

(杉江松恋)







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