チェゼーナに所属するMFステファン・アッピアーが、イタリアのテレビ番組『イエネ』の中で、サッカー人生のスタートや貧困に苦しんだガーナ時代の難しい時期、イタリアへの移籍などについてオープンに語った。

「僕はお金を持たずに学校へ行っていた。ある日、すごいお金持ちの友達が、『学校を抜け出して、オレと一緒にサッカーしに来たら、ランチをおごってやるよ』って言ってきたんだ。それで僕は、『えっ、ランチ! それはやんないとな』って答えたのさ。そして、学校に行かず、サッカーをしに行ったことを知った先生は、僕を机に乗せて叩いてきたんだ」

「僕のチームは貧乏だった。足に包帯を巻いてプレーしていたんだ。包帯からスパイクに変わってどう思ったか? ボールを蹴るときは、裸足でやっていたときみたいに、足でボールのことを感じたいと思ったな。でも走るときは、足で石を感じることもないし、練習後は足がきれいで、リラックスしていたよ」

「イタリアに来たときは、ここの食べ物を知らなかった。スパゲッティを出されたときに、フォークの使い方を知らなかったんだ。口に入れようとして、手からこぼれてしまうなんてこともあった。手でも食べられなかったんだ。ピッツァも好きじゃなかった。ジェラートとビスケットを食べていたよ」

また、アッピアーはかつて所属したユヴェントス時代についても、次のように振り返っている。

「最初の練習が終わってから、ディナーに行ったときのことを覚えている。(ジャンルイジ・)ブッフォンが僕をからかって、『オレたちに新しい用具係ができたぜ。お前、ここで何するんだ? 自己紹介しろよ』って言ってきたんだ。僕もジョークが好きなタイプだから、『なあ、しゃべってないで、トマトと玉ねぎ抜きのサラダをオレに持ってこいよ。でも、ツナは忘れんな』って答えたのさ。(マルチェッロ・)リッピや(ルチアーノ・)モッジ(元ゼネラルマネジャー)ら、そこにいたみんなが笑っていたよ」