9月10日、大阪地方裁判所は厚生労働省を休職中の女性官僚、村木厚子に無罪判決を言い渡した。郵便割引制度をめぐる偽の証明書発行事件で虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われていたこの事件、は当初から冤罪事件であるという声が高く、大阪地検のでっちあげであると言われてきたことが、正に証明されたことになる。

『私は無実です』(朝日新聞出版)はこの判決の出る前に、週刊朝日が取材した全てをまとめて出版した本である。2009年6月14日に逮捕されてから一貫して容疑を否認、そのため5ヶ月も収監されていた村木厚子の強さと、それとは裏腹に逮捕や立場の保身のために、検察官が作り出したストーリーに乗っかって調書にサインする男たちの情けなさ、それが余すところなく描かれている。それにしても検察の杜撰な物語の作り方には呆れるばかりだ。こんな検察官が弾劾されずに仕事を続けていけることが信じられない。

 無罪判決を受けて記者会見に臨んだ村木厚子は、職場への復帰を強く希望した。この気骨ある公務員を、我々の生活のために十分に働ける場所へ配置して欲しいと強く思う。

(東えりか)







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