ポップス史上、最も偉大な功績を残しながら、昨年6月に50歳の若さで急逝したマイケル・ジャクソン。死後公開された映画『THIS IS IT』や『マイケル・ジャクソン キング・オブ・ポップの素顔』によって、その優しい人柄があらためて証明されたものの、それまでのマイケルといえば、エキセントリックな面ばかりが報じられ、あらぬ誤解を受けることも数多くありました。

 その代表的な出来事と言えるのが、1993年にマイケルを襲った少年虐待疑惑。当時、マイケルには異常なまでのマスコミからのバッシングが沸き起こり、これがきっかけで見る目が変わってしまった人も多いかもしれません。裁判の結果、「性的虐待の事実はない」ということで和解に至りましたが、この和解までの経緯は意外と知られておらず、いまだにマイケルに疑惑の目を向けたままの人も少なくありません。

 マイケル好きなミュージシャンとして有名な西寺郷太さんの著書『マイケル・ジャクソン』によると、昨年12月、FBIはマイケルの捜査ファイルの一部を公開したそうです。FBIがマイケルを捜査していたこと自体が驚きでもありますが、その捜査結果は以下のような内容でした。

 ・マイケルの私生活を10年以上モニターした結果、「性的虐待」の加害者と見なす証拠は何ひとつ見つからなかった
 ・マイケルの自宅にあった16台のパソコンを調べ上げたが、「少年性愛」との関わりは何も発見できなかった
 ・マイケルの自宅から1本だけ画質の悪い「怪しそう」なビデオを発見したが、鑑定の結果、なんでもない普通の内容だった

 この捜査ファイルは333ページにも及ぶ膨大なものでしたが、マイケルが加害者であることを示唆する内容はまったくないに等しく、ほとんどが書くのもくだらない小さなエピソードの羅列だったそうです。ここまで無罪同然の証拠がありながら、マイケルはなぜあんなにもバッシングを受けなければならなかったのでしょうか。

 このほかにも前述の『マイケル・ジャクソン』には、マイケルが性犯罪者に仕立て上げられた不自然な経緯が、事細かに記されています。この事件がきっかけで、マイケルの音楽を素直な気持ちで聴けないという人がいるとしたら、同書を読んでみる価値はあるかもしれません。



『マイケル・ジャクソン』
 著者:西寺 郷太
 出版社:講談社
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