子どものケータイ、インターネットについての問題が、いよいよ本格的になってきています。

 「家出して行くとこないので誰か泊めてください」(女性 16歳 福岡)
 「泊めてください。なるべく長期大丈夫な人お願いします」(女性 18歳 大阪)
 「だれか今日とめてください。マジ困っています。」(女性 18歳 東京)

 上記は、いわゆる家出掲示板への書き込みの一部。

 2009年に出会い系サイト利用で、売春や淫行など性犯罪被害に遭った18歳未満の子どもは、前年比271人減の453人でした(警察まとめ)。しかし、その一方でプロフや会員制交流サイトなどの出会い系サイト、あるいは一般サイトと呼ばれるサイト利用で被害に遭った児童の数は、前年比344人増の1136人となり、両方のサイトを足した被害児童数は前年比で73人増えています (出会い系サイトの被害児童のうち携帯電話利用の割合は、過去最高の99.3%)。

 少女が援助交際を行う動機は、直接的な金銭目的を含めて多様です。警察に補導された子や、学校の指導の網にかかった少女たちの記録をみていくと、父母や家族との関係(特に父と娘の関係で虐待に近い状況や、母親から売春を強要されるなど)や、いじめ、恋愛を含む友人関係での非常にシビアなプレッシャーから、援交や薬物使用に向かうというケースが多いことがわかりました。自己防衛援交という言葉さえあるくらいです。

 文部科学省や各地の教育委員会など教育界全体が、子どものケータイ、インターネット問題を意識するようになったのは2004年から。特に文部科学省を真剣にさせたきっかけは、2004年6月に長崎県佐世保市で発生した小学6年の少女による同級生殺害事件でした。文部科学省は「インターネット上の掲示板への書き込みが、被害児童に対する『怒り』や『憎しみ』を抱く大きな要因の一つとなったと考えられる」としたうえで、情報モラル教育が不十分だったと反省しました。つまり、事件はIT推進教育のあり方を問うたわけです。

 そして、2009年1月30日に全国の教育委員会などに小中学校への携帯電話の持ち込みを原則禁止する通知を出しました。「携帯電話は学校での教育活動に直接必要がない」ので持ち込み禁止。ただし、緊急の連絡手段として子どもに持たせざるを得ない場合は、保護者に許可を申請させて例外的に持ち込みを認め、(1)学校内では使用禁止とする (2)登校時に学校が預かり下校時に返却する。

 高校については「授業中や学校内での使用を一律に禁止するなどの制限を設けるべき」との見解を示しましたが、持ち込み自体は明確には禁止しませんでした。持ち込みを禁止しなければ校内、教室内での使用を阻止することはほぼ不可能です。

 子どものケータイ利用問題は、日本社会の子育て教育の問題でもあります。インターネット時代の子育て教育がどうあるべきか、国民的議論をしなければいけない時が来ているのかもしれません。



『子どものケータイ-危険な解放区』
 著者:下田博次
 出版社:集英社
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