無人島で男30人に囲まれた女はどうなるか?

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 8月28日(土)より木村多江主演で公開されている映画『東京島』。原作(新潮社/刊)は桐野夏生のベストセラー小説で谷崎潤一郎賞を受賞しています。

 32人が流れ着いた小さな島に、女は清子ひとりだけ。いつまで待っても助けの船は来ず、いつしか島をトウキョウ島と呼ぶようになります。ここは地獄か、楽園か?いつか脱出できるのか。無人島生活の中、食欲と性欲と感情を剥き出しに、生にすがりつく人間たちの極限状態を描いた長篇小説です。

 原作では男たちに求められ、命をかけて争われるたった一人の「女」であることに悦びを感じる40才を過ぎた清子の内面がエロティックかつグロテスクに描かれています。
 向上心、闘争心に欠け、ただ生きがい探しを続ける「トウキョウ島」の日本人の若者に対し、生活力が高く野性味あふれる中国人の男たち。彼らの間を、母親ほどの年齢の清子が「女」を武器にしたたかに渡り歩きます。傲慢で利己的な清子の内面の描写が生々しく、嫌悪感を抱く半面、なぜか強烈に惹きつけられるのです。

 一方映画は原作とは異なり、清子がより女性の共感が得らえるようなキャラクターになっているそうです。原作での性欲は食欲に置き換えて表現し、30代〜40代の女性がより感情移入して楽しめる作品。自分の気持ちに正直でタフな清子は現在女性の憧れの像かもしれません。原作との違いを楽しんでみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部 川口絵里子)


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