定刻の14時を1分過ぎたときに原強化委員長を先頭に大仁副会長、ザッケローニ監督、通訳の順番で登壇者が登場。会長は招致活動のため渡航しており不在。記者会見の会場には216席が用意されていたが、立ち見も多数出ており注目度が高い。

 最初に大仁副会長が「心配をおかけしました」と選考の遅れについて最初の挨拶の中で一言あり、続いて原委員長から挨拶。

「昨日正式に合意、契約ができました。本当に日本に合う、これからの日本のレベルを上げてくれる指導者ということでヨーロッパと南米に渡って実際にあって、人となりも見て、本当に日本を託せる人にしたいとやってきました。日本のサッカーの現状をさらに引き上げてくれるものと信じています。これから彼を全面的にバックアップしてやりやすい環境を整えてあげたいと思っています」

 登壇者の中で一番落ち着いて見えたのはザッケローニ監督だった。4年前のオシム監督がどちらかと言えば警戒心を前に出しているようにも見えたのとは対照的に笑顔も見える。

「みなさんボンジョルノ。サッカー協会から話が来たときにすぐに、喜んで熱意を持ってチャレンジしてみたいという気持ちになりました。セリエAをずっと下からやってきて、私のサッカーのチャレンジを広くしたいということで話が来てうれしいです。やることがたくさんあると思いますので、みなさんのサポートが必要だと思います。よろしくお願いします(日本語で)」

 落ち着いた雰囲気で監督が話した後に代表質問が始まった。

――今回の就任について感想を。
「今までクラブチームしかやっていないけどトップチームもやっています。サッカー協会のサポートももらってやりたいと思います。クラブチームを25年やってセリエAで優勝したこともありますし、今でもセリエAは一番難しいリーグだと思います。そこで長くやって、さらにチャレンジするためには代表チームしかありませんでした。日本代表はまだ伸びているように感じました。それでも、まだ仕事はたくさんあると思います。そこをみなさんとやりたいと思っています」

――原委員長、監督の選定理由は?
「組織的な守備はできている。それをもうワンランク相手の陣地に近づけて攻撃に結びつけたいし、そこでグラウンドを広く使ってサッカーをやってほしいと思います。マジメ、誠実、話し合ってもやりやすいと思いました。彼自身も日本人をリスペクトしてくれましたし、アジアの予選の難しさも説明しました。そこを理解してくれたと思います」

――契約については?
「契約の細かいところは公表できません」

――ノルマは?
「すぐアジアカップがあります。来年の7月にはコパアメリカがあります。そこで日本人選手を把握しながらレベルアップしてもらって、ワールドカップの予選を突破、さらに本大会でいい成績を出してほしいと思います」

監督に質問が続く。

――日本のサッカーについて。
「日本サッカーのレベルはインターナショナルのレベルで高くなってきたと思いました。岡田監督にはありがたい気持ちを持っています。岡田監督のやってきたいい仕事をバックボーンとしてやってほしい」

――選手たちに思ってほしいこと。
「選手たちもわかっていると思いますけど、ユニフォームを着ると各国の旗になりますから、そのユニフォームのため、一緒にしっかりした仕事をやってほしいと思います」

――9月の2試合では何を見るのか。
「大事な試合になりますけど、これからアジアカップを考えていきたいです。あまり時間はないけれど、昨日からミーティングが始まっていますし、これからビザが降りたらすぐ日本にずっと来ることになりますので、試合だけじゃなくて練習も見ていきたいし、選手や指導者と話しあっていきたい」