「30代前後」、この年代の人たちの生活は、ある意味とても大変です。結婚して、子どもがいる人も少なくはないでしょう。現場では、これまでにも増して、大きな期待と重い責任が課せられます。

 それに加えて、ここ何年も不況が続いています。

 バブル崩壊後、日本社会は「失われた10年」を経て、戦後最長の景気拡大を経験しました。2002年2月から07年10月のことです。

 この景気拡大は1965年から70年にかけて続いた好景気「いざなぎ景気」の期間を超えたため、「いざなぎ超え」などともいわれますが、その実態は、いざなぎ景気などの好景気とはかけ離れていました。

 どこがこれまでの好景気と最も違っていたか。それは、多くの庶民が好景気の実感を持てなかったことです。一部の大企業は高収益を上げましたが、その利益は末端のビジネスパーソンにまで回ってこなかったのです。実際にこの間、ビジネスパーソンの所得は下がる一方でした。あなた自身はどうだったでしょうか。つい数年前を振り返って、景気がよかったと実感できるでしょうか。

 2010年の時点で30代の人は、1971〜80年の間に生まれたことになります。この世代の人たちを指す言い方には、あまりうれしくはない表現がしばしば用いられます。「就職氷河期世代」「貧乏くじ世代」、さらには「ロストジェネレーション」......。そして、1970〜74年に生まれた世代は「団塊ジュニア」とも呼ばれています。

 多摩大学経営情報学部教授の久恒啓一氏は、団塊ジュニアは、その親の世代でもある団塊世代と同じく拝金主義であり、しかし、それでいて決定的な違いがあるといいます。それは、団塊の世代が青年期を過ごしたのは高度経済成長期で、働き盛りのころはバブル経済でした。こうした時代は、個人としてこれといった戦略を立てずとも、相応の収入や地位を得れた時代。それに対して団塊ジュニアは、就職氷河期でフリーターや非正規社員の立場を余儀なくされた人も少なくありません。「拝金主義なのにお金に恵まれない」といった、ある意味かわいそうな世代なのです。

 恵まれない世代といえば、団塊ジュニアよりももっと下の世代、今の20代や10代の将来のほうがもっと恵まれないのかもしれません。なにしろ、国の借金は膨らむ一方で、受け取れる年金の額は減るばかり。さらにはGDP(国内総生産)が中国に追い抜かれ、経済大国の旗を降ろさざるを得ない状況で国を担っていくことになるからです。

 しかし、この世代には非常に大きな可能性があるとも、久恒氏はいいます。それはインターネットという新しい武器を操り、今までの古い頭では考えられなかった独自の発想を思いつき、実行に移すことのできる世代だからです。今の30代でも、IT機器という最新かつ、現時点では最強といえる武器に若いころから接してきたはずです。その意味では、高い能力をすでに持っていると言えるでしょう。

 久恒氏は、いまの20、30代の人たちを悲観視しておらず、むしろ団塊の世代などより、新しいこと、楽しいことに挑戦して、社会をより良く変えていくパワーを持っていると自著『30歳からの人生リセット術』のなかで語っています。



『30歳からの人生リセット術』
 著者:久恒啓一
 出版社:創元社
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