神楽坂・赤城神社再生に世界的建築家・隈研吾氏

写真拡大

東京・神楽坂にある赤城神社では、昭34年に竣工した社殿が建て替え時期を迎え、耐震性能を向上した新しい社殿を建築する必要が出て来たこと、また少子化により神社に併設した幼稚園の園児が減少し閉園を余儀なくされたこと、さらに、奉納や寄付も減少するといった運営上の諸課題をも一挙に解決するため、三井不動産レジデンシャル(株)とともに、「赤城神社再生プロジェクト」を推進して来たが、世界的建築家・隈研吾氏の設計監修による斬新かつ格式あるデザインの新しい社殿と、定期借地権付き分譲マンション「パークコート神楽坂」をこのほど竣工・披露した。

プロジェクトの立ち上げに当たって、赤城神社が提示した条件は、(1)土地の売却は困難、(2)神社運営のため安定した収入を確保したい、(3)建て替え費用の新規投資は行わない、(4)経営が安定した後は神社の杜を復活させたい、(5)格式ある本殿など神社施設の建設、(6)神楽坂地区の活性化に寄与したい――という六点。
これに対して、三井不動産レジデンシャルでは、神社の敷地内にある幼稚園の跡地に、等価交換による70年の定期借地権を設定して分譲マンションを建設、契約終了後は土地の所有権を神社に戻し、「赤城の杜」として復活させる長期的な事業スキームを提案。また、たまたま赤城神社の近くに住んでいる縁もあって、世界的スケールで活躍する建築家・隈研吾氏を設計監修者として起用し、神楽坂の街並みに調和し、地域と連続して一体化、新たな神楽坂文化の発信拠点となる、地域に開かれた社殿施設を建設することになった。ちなみに、三井不動産レジデンシャルによると、マンション建設により神社の再生を図るケースは、知る限りでは他に例がないとのことだ。
隈研吾氏デザインによる新しい赤城神社は、「杜」と「坂」をイメージ。ガラスの壁で開口部を大きく取った社殿は、外光を一杯に取り込んだ清浄な空間となっている。また居住棟は、参道の白御影石を共用部まで連続。さらに白木の連子格子や大和張りをアルミという現代の素材でアレンジした外装、連子格子をイメージした建具のような細部に至るまで、統一したイメージを境内から室内へ連続することで、静謐な空気に満たされる空間を創造している。居住棟は鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)、地上6階・地下1階建て、総戸数78戸(敷地面積4069.23平米、建築面積2425.09平米、延床面積9975.76平米)。専有部は、43.32〜117平米、価格は5000万円弱〜1.3億億円強まで。入居開始は9月下旬を予定。
また、神社竣工後は、チーム「風」を中心に、伝統芸能や地元に根ざしたイベントを開催するなど、伝統の継承と地域文化の発信拠点となり、まちづくりへ貢献していく考えで、社殿には、カフェや地域貢献ルームなども併設されている。10月23日(土)18時30分から、赤城神社参集殿にて、「赤城神社竣工奉祝記念“ヒトイキシンポジウム”『新しい神社の杜を考える〜神と人と建築〜』」として、再生プロジェクトを主導した隈研吾氏が、客殿・カフェ・地域貢献ルーム等の内装・家具を手掛けたオークヴィレッジ代表の稲本正氏と対談を行う予定である。