自殺する人としない人の違いは?(2)

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 出版界の最重要人物にフォーカスする『ベストセラーズインタビュー』
 第19回は、今年6月に発売された『俺俺』(新潮社/刊)が大きな反響を呼んだ、作家の星野智幸さん。
 前回は『俺俺』に込めた思いについて語っていただきましたが、第2回の今回は、星野さんがツイッターで行った新しい試みについて。
 一体どんな試みだったのでしょうか?

■『俺俺』外伝をツイッターで募集。その感想とは?

―本作『俺俺』の外伝をツイッターで募集するという試みをされていましたが、寄せられた作品の数々についてどのような感想をお持ちですか?

星野「『俺俺』を読んで書いている人もいればそうでない人もいるので、本編と必ずしも繋がるとは限らなかったんですけども、本編は『俺』が増殖していく話なので、書き手の『俺』も増殖していったら面白いなと思っていました。ある程度それを感じてやってくれた人もいましたね。
それと、小説を初めて書いてみるという人や、遊びで書いたことはあるけど真剣にやったことはないという人が結構ハマっていたので、それを見るのは楽しかったです。」

―かなり多くの方がやっていらっしゃいましたね。

星野「そうですね。同じ箇所を色々な人がリツイートするという形なんですけど、当然のことながらみんな違う話が展開する。それが面白かったし、小説にして書くとその人の価値観が様々な場所に出てくるんですよね。例えば男の人が女の人をどう書くかでその人の価値観がすごく出るんです。本人は気づいていたりいなかったりするわけなんですけども、そういうのが色々見れたことも良かったと思います。」

―今おっしゃったように、文章には書いた人の価値観が計らずとも出てしまうものですが、星野さんご自身はそういったことについて意識されていますか?

星野「それはもうデビューするころから意識しています。自分の価値観が文章に表れて人目に晒されることに耐えられるのか?と思っていましたし。でも新人賞受賞が決まった時には、もう後戻りはできないし、自分では気づかない無意識までが全部読まれることを覚悟しようって決めたんですよね。そこで腹を括ったというか。
今でも毎回書き終えた瞬間は解放感に溢れるんですけど、二日くらいするとすごいブルーになりますよ(笑)」

(第1回 自分で自分を殺しているような社会を目に見える形にしたかった を読む)
(第3回『近い将来、長大な作品を書きたい』 につづく)


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