音の静かなプリウスに装着できるトヨタ製「車両接近通報装置」、その音創りのセンスにビックリ![国沢光宏 コラム]【特集・コラム:ビジネス・経済】
疑似走行音発生装置には賛成! でも・・・
トヨタがプリウス用の疑似走行音発生装置を発表 した。現時点ではディーラーオプション扱いとなり、8月30日から既納車についても装着出来るようになるという(取り付け工賃込み約2万円)。疑似走行音発生装置って何か?
電気自動車やモーター走行モードを持つハイブリッド車の「静かすぎる走行音」が社会的な問題となったのはご存知だと思う。結果、今秋から疑似走行音発生装置を新車へ装着することを義務付けることになった。実際、モーター走行中の静音性は危険だと考える。
13年間プリウスに乗っているけれど、直近まで迫っているのに気づかない人は多い。ホーンを鳴らすわけにもいかず、気づくまで後ろで徐行するだけれど、やがて気配で後ろを向く(最後まで気づかない人も多い)。その際、皆さん相当驚くようだ。
この13年間で下を見て500回以上驚かせてしまったと思う。歩行者にもクルマの接近を知る権利はある(知っていて避けないのなら仕方ない)。特に目の不自由な方にとって音の情報は大切。そんなこんなで、疑似走行音は絶対に必要だと思っていた次第。
速度の上下によって音質が変わるのだけれど、微妙に速度を変えつつあるプリウスが人気の無い道で深夜近づいてきたら怖い! 50歳代以上の人なら「ウルトラQの効果音としてそのまま使えますね!」と思うかも知れません。
この音、おそらく評判悪いだろう。装着したい、という人も少ないと予想しておく。かくいう疑似走行音大賛成派の私ですら、お化けの効果音出すプリウスなんかに絶対にイヤだ。どうして「聴き心地の良い」音質を選ばなかったのだろうか?
【動画】トヨタ 3代目プリウス向け「車両接近通報装置」
[動画提供:トヨタ自動車]
いっぽう、日産のEV(電気自動車)「リーフ」用 擬似走行音は
参考までに書いておくと、年末に発売予定の日産リーフには疑似走行音の新車装着 が義務づけられる。すでに先行試作車で音を聞いてみたところ、電車と同じインバータ音を大きくしたイメージ。電車に乗っている時の如く自然だし気にならない。
リーフの開発担当に聞いてみたら「ハリウッド映画の効果音を担当している会社にも疑似走行音の開発を依頼したのですが、イマイチだったので日産社内で開発した素直な音にしました」。トヨタが「ひゅ〜うぅぅ」だとすれば日産は「ウィーン」。
日産のプレス資料を見るとハリウッド映画ウンヌンという記載あるも、開発担当者によれば間違いとのこと。プレス資料で訂正していないため、間違った情報を伝えているメディアも多いので念の為。トヨタの幽霊音発生装置の音質、変更されると予想しておく。
[動画提供:日産自動車]
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