【ゲームコラム】 『メトロイド』シリーズを間違った方向に進ませた事に気がつき、いまさら『メトロイド アザーエム』を出したところで、任天堂が『メトロイドプライム』シリーズをレトロスタジオに作らせた罪は消えない。

『メトロイド』は1986年にファミリーコンピュータ・ディスクシステムで発売され、続編の『メトロイド2』が1992年にゲームボーイで発売、そして『スーパーメトロイド』が1994年にスーパーファミコンで発売され、世界中で大ヒットとなった(日本でのウケはイマイチだが)。その後、任天堂は『メトロイド』シリーズの開発を外注するようになり、『メトロイドプライム』三部作の開発をレトロスタジオに依頼。

2Dで展開していた『メトロイド』シリーズが、レトロスタジオの手によって3Dのリアルなゲームとなって誕生したのである。その第一作が『メトロイドプライム』なのだが、正直言って、まったく目新しくないし『メトロイド』の魅力が半減しているといわざるを得ない。

もちろん、『メトロイド』の世界が3Dで表現されている事は魅力的ではあるが、今までの『メトロイド』にあった楽しさは『メトロイドプライム』に皆無であり、そもそも『メトロイドプライム』は『エイリアンVS.プレデター』のゲームシステムを「パクり」と言われても仕方がないほどパクっているゲームである(どこら辺がパクりなのか? ほとんどパクりである。詳しくは自分で調べてみてほしい)。

とはいえ、今回の記事は別にパクりを指摘するのが目的ではない。任天堂が『メトロイドプライム』シリーズの開発をレトロスタジオに発注したことにより、まったく味気ない、まったく面白みのない『メトロイドプライム』三部作になってしまったと言いたいのである。レトロスタジオは非常に優秀なゲーム開発会社だが、『メトロイド』の世界をファンが満足するものにできなかったのである。

和食をフレンチのシェフに調理させているようなもので、器用さとセンスで和食っぽいものは作れるものの、和食本来の良さを出す事ができてないのだ。『メトロイド』ファンの多くは、『メトロイドプライム』からまったく進化していない駄作『メトロイドプライム2 ダークエコーズ』を出された時点で「ダメだこりゃ!」と気が付いていたと思うが、任天堂は『メトロイドプライム3 コラプション』あたりで「ヤバイかも!?」と気がついたようで、原点回帰のシンプル操作で楽しむ事ができる『メトロイド アザーエム』を9月に発売する。

単に3D化しただけとはいえ、『メトロイドプライム』は『メトロイド』ファンに新しい『メトロイド』のカタチを見せる事ができ、そこそこゲームも楽しむ事ができた。しかし、単に展開が面倒くさくなっただけの『メトロイドプライム2 ダークエコーズ』でファンを失望させ、尋常じゃなく操作がしにくい『メトロイドプライム3 コラプション』で多くのファンを絶望させた。

これはレトロスタジオが悪いのではなく、任天堂が100パーセント悪い。レトロスタジオに罪があるとすれば、「このままでいいのか?」と誰も任天堂にツッコミを入れなかったことだ。任天堂は誰も求めていない『メトロイド』をレトロスタジオと一緒に作り、どんどん美味しくない料理にしていった。

『メトロイドプライム』は従来の『メトロイド』シリーズとまったく違うゲームシステムになったため、多くの『メトロイド』ファンがとっつきにくくて『メトロイド』から離れていった。まあ、時代の流れと共にゲームシステムが変化していくのは仕方がないし、過去のファンがある程度切り捨てられるのは仕方がない事だが、『メトロイドプライム2 ダークエコーズ』や『メトロイドプライム3 コラプション』などの新作が出るたびに、ストーリーの魅力が薄れ、操作が複雑化し、どんどんファンを切り捨てていった。こういうやり方は任天堂はしないと思っていたが、任天堂もけっこう恐ろしい事をするものだ。さすがにアホとしか言いようがない。

誤解がないように言っておくが、なにも『メトロイド』3D化が間違っていたわけではない。レトロスタジオ一作目の『メトロイドプライム』も、『メトロイド』の “味” が半分以上なくなっているものの、「リアルな『メトロイド』を作ってみました」というゲームとして許される範囲である。しかし、『メトロイドプライム2 ダークエコーズ』と『メトロイドプライム3 コラプション』はどこも褒めるところがない。どんどん味のないマズいゲームになっていった。

では、任天堂は『メトロイドプライム』シリーズをどうすればベストなカタチで出せたのか? ニンテンドーゲームキューブ時代に『メトロイドプライム』ではなく『メトロイド アザーエム』を出していればよかったのである。それが正しい『メトロイド』の進化であり、ファンが求めるものなのだ。

Writer: IKA-X.

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