世の中には、まだまだ知らないことがたくさんあるんだなあ、と読み終わってため息をついた。岡田真理『いざ志願!おひとりさま自衛隊』(文藝春秋)は27歳の女性が、酔った弾みで応募した予備自衛官補体験記である。

 まず、予備自衛官からわからない。旧日本軍や軍隊のある国では「予備役」と呼ばれ、普段は一般企業などで社会の一員として暮らし、いざ、というときに自衛官に変身するというパートタイムの自衛官のことなのだ。この予備自衛官になるためには、50日の教育訓練を受けなければならない。5日間の訓練を10回終えると晴れて予備自衛官となる。それまでは予備自衛官の候補生、予備自衛官補(通称・ヨビジホ)と呼ばれる。

 採用試験から卒業までを日記風に綴ったこの本は、普通の人は全く知らない、自衛隊の仕組みや意外と過酷な訓練方法、自衛隊グッズなどのマメ知識が詰まっている。憲法9条って何?って人から、反戦運動家や災害救援でお世話になったという人まで、自衛隊のことを少しでも知りたい人の入門書としてうってつけ。徐々に国防について考えが深くなっていく様子が興味深い。

(東えりか)







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