日本が統治した朝鮮半島や台湾などの旧郵便局に、払い戻しを求めないまま残されている口座数が約1900万件あり、残高は利子を含めて約43億円に上ることが18日、分かった。共同通信が報じている。中国や朝鮮半島、東南アジア、南洋諸島で開かれたもので、民間人や軍人の口座だという。

 貯金した本人かその相続人や代理人は、払い戻しを求めることができ、外地郵便貯金の払い戻しには通帳が必要で、軍事郵便貯金は通帳がなくても部隊の在籍証明などで請求できるとされている。

 韓国のメディアは、過去の日本の植民地支配は、韓国から金融の面でも無差別に収奪しており、その象徴である郵便貯金の実態が、少しずつ明らかになっていると報じている。

 日本は植民地時代、朝鮮半島と台湾などの植民地の住民はもちろん、サハリンへ強制徴用した人々にも郵便貯金への強制的に加入させた。この貯金は植民地収奪のための経済政策と、戦争を遂行する資金として使用された。

 日本はこの郵便貯金額の返還問題と関連して、台湾人には1995年から2000年までの期間に、貨幣価値の変化を考慮し、確定債務の120倍を支給したが、一方、韓国人の預金については、1965年の日韓基本条約で個人請求権が消滅したとして、返還をずっと拒否していると伝えている。

 これまで、1990年代以降に韓国に帰国したサハリン残留韓国人が、日本の裁判所に郵便貯金の補償請求訴訟を提起した。しかし、日本政府は、これらについても「請求権が消滅した韓国国民の範囲に含まれている」という主張を提出したとしている。

 日韓併合100年を迎え、韓国内では日本による植民地時代のさまざまな問題に対して、解決を求める声が高まっているようだ。(編集担当:李信恵・山口幸治)



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