情報過多、情報一元化のなかで、頭ひとつ抜け出す「差別化・個性化」は企業も個人も最大の悩みといっていいでしょう。その時に、唯一解決できる武器が「クリエイティビディ」といわれます。

 なにも、感覚や感性だけで仕事をするアーチストになれ、というのではありません。それは、あらゆるビジネスの「考える・作る・動かす」に関わる「創造性」のことなのです。

 広告代理店の元博報堂制作部長が、職人的知恵でイノベーションを起こす人、違いをつくる人、悩みを解決する人を「発想職人」と呼び、その経験知を拝借してまとめたのが書籍『発想職人のポケット』。そのなかに以下のような言葉が記されています。

 「人真似は自分に何もないことだ」

 これはあるグループでのルールだそうです。「自分の考えを持たないもの、自分のアイデアを持っていないものは会議室に入ってくるな」「広告年鑑、写真集など既成の作品集を持って入るな」。そのグループのリーダーでもあるCD(クリエイティブ・ディレクター)の口ぐせ「人真似は、自分に何もないことだ」をスタッフに徹底して染みこませていくための約束です。

 どんなに稚拙であっても、自ら考え、自ら身体をとおした中からアイデアが生まれることを、リーダーは求めているのです。

 当然「学ぶことは真似ること」からきていることは知っています。私たちも真似ることで多くのものを学んできました。しかし、真似ることはカタチを真似るのではなく、「考え方、取り組み方、生き方の本質を探るため」に必要なのです。なぜ評判がいいのか、なぜこのカタチなのか、なぜ人は喜ぶのか、なぜここに人が集まるのか。その根っこを発見するために、見たり聞いたり真似たりすることが不可欠なのです。

 でも、真似ると言わずに学ぶといいたい。学んだ上で違う道をどう探すか。他人との違いを認めた上で、自分の行きたい方向を見据えれば、人に惑わされません。ありがちなパターンより、自分にリアルな感情の方が、断然強く人の心に響いてくるものです。

 これって、自分の誇りにつながっていくと思いませんか?

 「発想職人」が日々くりかえしている口ぐせが、あなたの持っている情報や知識のなかで発酵し、すばらしい知恵へと熟していくことがあるかもしれません。



『発想職人のポケット 』
 著者:高橋 宣行
 出版社:小学館
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