日本で初めての“野外音楽フェスティバル”

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 お盆も過ぎ、今年の夏も残りわずか。そんな「夏」といえば、近年では野外ロックフェスティバルが人気を集めています。
 今年も「フジロックフェスティバル」(新潟)をはじめ、「サマーソニック」(東京/大阪)、「ライジング・サン・ロックフェスティバル」(北海道)、「SETSTOCK」(広島)など日本各地で開催され、多くの動員を記録しました。

 さて、日本における野外フェスは2000年に入ってから急成長しましたが、その歴史は1960年代までさかのぼることをご存知でしょうか。
 日本初の野外フェスとして知られる「全日本フォークジャンボリー」(岐阜)は1969年に開催され、高田渡やはっぴいえんど、岡林信康、ジャックスら、当時人気だったフォーク/ロックミュージシャンたちが多数参加、1971年まで3回開催されました。

 この「全日本フォークジャンボリー」の特徴は、レコード会社や興業会社が主催したものではなく、当時の若い音楽ファンが中心となって開催されたものだったということです。
 1960年代から1970年代はちょうどベトナム戦争真っ只中であり、若者たちの間でヒッピーなどに代表されるカウンターカルチャーが流行していた時期でした。その中で、当時開催された野外フェスからも「反体制」「反戦」「反資本主義」などの色が濃く出ていたといいます。

 そしてそれは日本の話のみならず、世界でも同様でした。アメリカでは「ウッドストック・フェスティバル」が1969年に、イギリスでは「グラストンベリー・フェスティバル」が1970年に始まるなど、ちょうどこの頃にカウンターカルチャーとしての野外フェスが勃興しています。

 しかし、その後、日本のロック文化は野外フェスティバルを継続発展させていく道をとりませんでした。では、野外フェスはどのような道を辿って現在のような形に発展してきたのか?
 フィルムアート社から出版されている『野外フェスのつくり方』(MESSAGE/編)はフジロックフェスティバル、朝霧ジャム、夏の魔物、廃校フェス、カオスパークら様々な野外フェスの取材を通して、その歴史から野外フェスがどのように作られているのか、具体的に野外フェスを自分で作ってみるための方法を事細かく解説します。

 「野外フェスの精神」とは何か。ミュージシャンだけでなく、運営者、スタッフ、そして集まったファンたちの様々な想いが集結し、解放される場。そんな野外フェスを愛する人たちに手にとって欲しい一冊です。
(新刊JP編集部/金井元貴)


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